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【アルコール依存症】 「間違ったイメージ」と「飲酒量の評価の仕方」について

このコンテンツは医学論文データベース「PubMedパブメド」とわたくし医師個人の経験をもとに、正しい情報をわかりやすく解説することをモットーにしています。
【アルコール依存症】 「間違ったイメージ」と「飲酒量の評価の仕方」について

アルコール依存症は間違った印象が一般に根付いています。
まずそのイメージを修正してもらい、そして治療の第一歩であるお酒の量についての見直し方をまとめてみました。

アルコール依存症のイメージ

Dr.G
皆様は、「アルコール依存症」「アル中」と聞くとどんなことを思い浮かべますか?
  • 終日飲んだくれているだらしない人?
  • 酒に酔って暴力を振るうひどい人?
  • 止める意思のない弱い人がなる病気?

世間では色々なイメージがありますが、実はアルコールを呑んでいる人は誰もがなりうる病気ですし、まだまだ日本では誤解や偏見が多いのが実態です。

そもそも「意志が弱いからなる病気」ではなく、「意志が強くてもアルコールという薬物の魔力にコントロールされてしまう病気」「お酒に対してのブレーキを失ってしまう病気」なのです。
病気だということを認識することが、まず治療の大きな第一歩です。

我々医療者の立場としては、アルコール依存症の方々に対し、「回復には断酒しかないよ。」と言いますし、実際少しでも飲酒してしまった場合、やがて止まらなくなってしまうのがアルコール依存症の恐ろしいところではあります。

ところが、アルコール依存症の方々は「アルコールをやめないと肝硬変になるよ。」「アルコールをやめないと家族が離れていくよ。独りぼっちになるよ。」なんてことを言われても、なかなかやめられない状況にあります。むしろ、そんなことは分かっている場合が多いですが、それでもアルコールの方が優先順位1位になってしまっている訳です。

病院によっては、「お酒と結婚させられる病気」という風に表現しているところもありますが、アルコール依存症の方々にとって、それだけアルコールというパートナーと別れることは大変なのです。

「うちの人、先生にあれだけ言われたのにまだ飲んでいるんですよ?本当、何考えているんでしょう?やめる気がないんでしょうね?先生からもっと強く言って下さいよ!!」なんていうご家族の方もおられまして、その気持ちは本当にごもっともなのですが、実はご本人自身もやめたいけどやめられないことに苦しんでいることが多いのですよね・・・?

Dr.G
この辺りはなかなか難しいところです・・・。
まず飲酒習慣の見直し方からみていきましょう。

飲酒習慣の有効な見直し方とは!?

アルコールをどのくらい飲んでいるか把握する方法

皆様は適量飲酒というのが一日にどのくらいの量かということはご存知でしょうか?

厚生労働省の指針によると「一日純アルコールにして20g以下、週に2回以上の休肝日」というのが一つの基準のようですが、諸外国のデータを見ると18g以下、としていたり、週3回~5回は休肝日を設けるべきだという意見があったり、実際のところは日本の基準はやや甘いようではありますね。

とはいえ目安があるのとないのとでは大違いなので、

ひとまず厚生労働省の指針通りに飲酒習慣が出来ているか?

出来ていない場合はまずはその指針通りに飲むことを目指して行くということが大事になってきますね。

アルコールはかなり飲んでいるけど、依存症の診断基準までには満たない、いわゆる「プレアルコホリズム」と言われる方々も数多く来られましたが、そういった方々にやっていた方法が、「毎日の飲酒量記録」です。

飲酒習慣を見直すための「毎日の飲酒記録」

やり方として、その日に飲んだアルコール量を純アルコール(g)に換算してもらって、それをカレンダーメモに記録してもらいます。

20g以下とは言っても、実際アルコール飲料の表記には純アルコールで何gなんて書いてなくて、大抵は度数とmlしか書いてないですので、換算が必要になります。

アルコールのグラム換算の仕方

換算の仕方として、ビール500mlを例にとると、大体度数としては5%が多いので、

500(ml)×0.05(度数)×0.8(アルコールの比重)=20(g)

ということになります。

これが、焼酎20度500mlの場合だと、

500(ml)×0.2(度数)×0.8(アルコールの比重)=80(g)

となるわけです。

ちなみに、多量飲酒とされている量が純アルコール換算で60g以上とされていますから、これは多量飲酒の基準をオーバーしていることになりますね。

まずはどのくらい飲んでいるかを記録していきましょう!!

プレアルコホリズムの方々に対し、毎日の飲酒量記録で自身の飲酒習慣を見直して頂くのと同時に、外来での集団学習会で酒害やアルコール依存症という病気の知識を得てもらうというやり方でご本人のモチベーションを高めて行く方法を採っていたことがあります。

ちなみに、アルコール依存症の方々の場合は既にこのコントロール自体が出来ない状況になっているので、いかに断酒していくか、ということの治療になっていきます。

Dr.G
毎日の飲酒量記録自体は、それほど負担な作業でもなく、ある程度簡単にご自身の飲酒状況を客観的に見られると思うので、もし「お酒は好きだけど、最近飲みすぎているような気がするな・・・」と心配な方は、是非まず記録を習慣づけてみて下さい。

 

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