レクサプロは妊娠中飲んでも大丈夫?

妊娠中の服用
通常は妊娠中の服用は推奨されていません。

これはどの薬物も一緒ですが、特に妊娠初期(12週頃まで)は赤ちゃんの重要な臓器や形ができてくるころなので注意が必要です。

とは言いつつも、うつ症状が強ければ内服を続けておかなければならない場合もあるでしょう。

「うつ症状が強いのに、これを放置して妊娠出産したときの子供への影響」と「レクサプロ®(エスシタロプラム)を飲みながらうつをコントロールしつつ妊娠出産したとき」と、どちらが子供にとっていいのかはまだわかっていません。

また現在のところ、基本的に胎児に対する危険性はしっかりとは示されていないのです。

【カテゴリーC】動物実験で有害作用を示したものはあるが、ヒトでの対照研究はなし

ですから現在は、妊娠中も原則薬物治療を最小限続けるのが現状です。

母体への影響

妊娠後期に、妊娠高血圧症候群のリスクが増大する可能性があります。

出産時には、母体からの出血が多い傾向が出ます(レクサプロの副作用として出血しやすくなります)。

胎児・新生児への影響

抗うつ剤 妊娠中

妊娠初期のレクサプロの胎児への影響として、心臓の奇形(心室中隔欠損症、ただし一般にも比較的頻度の高い病気)の率が多少ではあるが上がるとされています。

また産まれた直後、赤ちゃんに鎮静がかかって元気がないことがありますが一過性です。

これはまれな例ですが、新生児の退院までが長引く場合があります。
呼吸を補助したり、うまく母乳が飲めなかったりと管から栄養をしなければいけない状況になるときがあるからです。

報告があるのは、抗うつ剤の中毒作用と、産まれてから急激に抗うつ剤の成分が母親からこなくなってしまったことによる離脱症状のの両方で、呼吸困難、チアノーゼ、てんかん発作、嘔吐、低血糖、力が弱い、落ち着かない感じ、泣きやむことがないなどの症状がでます。

授乳中にレクサプロは飲んでいて大丈夫?

もちろん母乳中にレクサプロの成分や代謝されたものは移行してしまいます。

しかしほとんどの場合は子供に影響を出すことはありません。

まれに、子供の落ち着かない様子が目立ったり、鎮静がかかって大人しくずっと寝ていて泣くことも極端に少なくなる様子が見られるときがあります。このときはレクサプロを中止すべきか相談したほうがいいでしょう。

出産直後はもともとうつ病になりやすい時期です。
もともとうつ病で治療歴があったり、母親の産後うつ病の可能性が高い時は授乳中でもレクサプロを始める(もしくは再開する)ことを考えなければなりません。

それでもレクサプロを飲んだからと言って、絶対に母乳栄養をやめるというのは賢明ではありません。

母乳中には赤ちゃんの免疫にとって重要な成分がいっぱい含まれているのと、なによりも赤ちゃんや母親にとって母乳をあげるというスキンシップはオキシトシンというホルモンを放出させ、これが母親にとっては幸せホルモンでもあるのです。

あくまで個人的な見解ですが、レクサプロを内服していても原則は授乳をした方が良いと考えています。

それぞれのケースによるところもありますので、主治医の先生とよく相談して心配のないようにしましょう。

レクサプロは子供が飲んでもいいですか?

[効能・効果に関連する使用上の注意]
「海外で実施された6~17歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照臨床試験において、6~11歳の患者で有効性が確認できなかったとの報告がある。本剤を12歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。」を追記

添付文書では「12歳未満は適応を慎重に検討」とされており、SSRI全般に言えますが、基本的には12歳以上であっても子供や未成年者(厳密には25歳未満)にはあまり出したくない種類のお薬です。

効果の側面もそうですが、アクチベーションシンドロームのリスクが高いことが最大の理由です。

アクチベーションシンドロームというのは、レクサプロを飲むことによってイライラ、不安、焦燥、パニック発作、攻撃性、衝動性、不眠、躁状態などが出てきて最悪の場合、自殺を遂行してしまうことをいいます。

ですから、レクサプロの成分が子供の成長にどうこうという問題よりは、効果の出ない可能性とそればかりかアクチベーションシンドロームを起こすかもしれないというリスクが目立ってしまうのです。

また、現時点では、日本において児童思春期のうつ病で安全性・有効性について臨床試験にて示されている抗うつ薬は存在しない。したがって、抗うつ薬を使用する際には、本人、家族に対し安全性・有効性が臨床試験で検証されていないことを説明し、リスクとベネフィットを十分に検討した上で、インフォームド・コンセントを得ることが必要である。薬物治療が選択された場合には、処方量は成人より少量から開始し、年齢に合わせて増量を行う必要がある。(中略)
しかし、知見は成人に比べて十分ではなく、抗うつ薬や精神療法に対する有効性についても一貫していない。(中略)
現時点ではすべてのうつ病の治療薬が児童思春期において安全性・有効性について臨床試験で検証されていないことを説明する必要がある。

以上のように、「子供がレクサプロを飲んでいいか?」という質問に対して、日本のうつ病学会ガイドラインでもまだ答えが出ていないというのが実情であると考えます。

個々の症例によって効果があったりなかったり、リスクが前面にでてしまったりかなりばらつきがあるというわけです。

 

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