抗うつ剤は全般的に副作用が気になって飲むのが怖いと思ってしまうお薬だと思います。
レクサプロはSSRIの中ではその点優秀で、副作用で続けづらいということが同じSSRIの中でもジェイゾロフトと並んで少ないです。

それでは効果が薄いのでは?と思いがちですが、抗うつ効果と副作用の出にくさのバランスがとれています。
もちろん副作用がないというわけではないですので、ここではレクサプロの副作用について説明したいと思います。


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レクサプロ®(エスシタロプラム)の主な副作用

副作用が起こる機序

治療作用をもたらしてほしい部位以外の脳や全身の臓器にレクサプロ®(エスシタロプラム)が作用し、セロトニン濃度が高まることが原因と考えられます。

治療効果は遅れて出てくるのに対し、ほとんどの副作用は直ちに出現してきます。
それでも時間がたつことである程度はおさまる傾向にあります。

一般的な副作用

抗うつ剤の副作用

  • 性機能障害(射精遅延、勃起不全、性欲減退(男女)、オーガズムを感じにくい(男女))
  • 消化器系(食欲不振、吐き気、下痢、便秘、口の渇き)
  • 中枢神経(不眠、振戦、頭痛、ふらつき)
  • 自律神経(発汗が目立つ)
  • 内出血(あざ)ができやすくなる、出血しやすくなる
  • 電解質バランスの異常(ナトリウムが低くなる)(ふらつき、だるさなど)

最も多い副作用は吐き気、不眠、下痢、口の渇き、男性であれば射精障害です。これらは他のSSRIでも一般的に認められるものでもあります。レクサプロ®(エスシタロプラム)ではこれらの中でも特に吐き気が目立つ傾向があります。

いつまで続く?レクサプロの吐き気や下痢を抑えるには【医師が教える抗うつ剤】

偽物の薬をレクサプロと言って飲んでもらった人たちと、本物のレクサプロ®(エスシタロプラム)を飲んでもらった人たちを2か月みたときに、副作用がでて薬を止めることになった確率は偽物の薬と本物のレクサプロで統計学的に差がないというデータを発表している研究もあります。(ただし、こういった研究は他のSSRIにもありますので、レクサプロが一番いいということにはならず、実際にはケースバイケースと考えるのが無難です。)

つまり副作用が出たとしても、やめるにいたるまでの副作用がでてしまうということは少ないようです。

ツイッターで見られるレクサプロの副作用

感覚や副作用などの参考にしてください。ツイッターからの情報ですので、薬物の特徴などの情報に関しては探せるものは裏付けとなるエビデンスを付けるようにします。

Dr.GDr.G

「現在あるSSRIで最も副作用が軽く」というのは、以下の通称MANGA研究からわかったことかと思います。ちなみにこのMANGA研究からの著者の意見としては、効果と副作用の軽さではレクサプロ®とジェイゾロフト®が優れるとコメントしています。

【参考文献】Cipriani A, et al. Comparative efficacy and acceptability of 12 new-generation antidepressants: a multiple-treatments meta-analysis. Lancet. 2009 Feb 28;373(9665):746-58.

危険な副作用は?

てんかん発作、とアクチベーションシンドロームといって躁状態(ハイテンション)の誘発、自殺衝動を高めるなどの報告はまれながらあります。特に自殺衝動を高めるは危険な副作用ですが、25歳以上の大人ではこの副作用のデータは示されていません。25歳未満での服用には注意すべき副作用と言えます。

太る?眠くなる?

どちらもSSRIの中では少ないほうです。

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副作用に対する対処法

基本的には飲み始めて経過とともにある程度おさまってきますので「じっと待つ」が対処法になります。
ただそれでも大変な時は、他の抗うつ剤に変更したり、他の薬を飲むことが必要になります。

症状併用することがある薬
不眠睡眠薬、抗うつ剤のトラゾドン(レスリン®、デジレル®)
性機能障害バイアグラ®やシアリス®は効果を期待できますが、心臓血管系の副作用もあるので精神科でこの副作用に対し処方することはまれです。
食欲不振抗うつ剤の中でもNaSSAに属するミルタザピン(レメロン®、リフレックス®)は食欲を増進させる方向に効きます。
排尿障害ハルナール®などのα1ブロッカー
落ち着かない・不安抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)

ほとんどの副作用はレクサプロ®(エスシタロプラム)の飲んでいる量が多いほど起こりやすく、それらは時間が解決することが多い印象です。他のSSRIよりは性機能障害は少な目な印象です。また感情が平板になりやすい副作用があります。

それでも、アクチベーションシンドロームによって躁状態になったり、自殺の衝動が強くでてしまうという症状が出るときは、薬を中止するか、抗うつ剤ではなく気分安定薬やリチウム、非定型精神病薬を飲む必要があります。

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レクサプロ®(エスシタロプラム)と他の薬との相互作用

肝臓で代謝されるお薬です。レクサプロ®(エスシタロプラム)自体も、肝臓で代謝されたあとの物質も、ほとんど他の薬物の代謝を邪魔するほどの影響はないことが知られていますので相互作用をそこまできにすることなく服用できます。

レクサプロの半減期

代謝産物の半減期(血中濃度が半分になってしまう時間)はデータがありません。

副作用と対処法のまとめ

副作用予防対処法発症機序
アクチベーションシンドローム自殺念慮、攻撃性あるとき注意。初期は不安・焦燥が出る減量・中止。アルプラゾラム(コンスタン®ソラナックス®)で改善することも。5HT(セロトニン)2A刺激性
セロトニン症候群処方を単剤・単純化する減量・中止脳内セロトニン活性の亢進
離脱症状ゆっくり減らす一旦元の量に戻すセロトニン受容体脱感作やアセチルコリン神経脱抑制のリバウンド。
眠気夕食後、就寝前服用にする。減量・中止・変更鎮静作用
せん妄・思考錯乱・幻視など新しい抗うつ剤から使用減量・中止・変更中枢性抗コリン作用
口の渇き・便秘・尿閉・頻脈など生活習慣の改善で対応。尿閉は高齢者で注意!各種対症療法末梢性抗コリン作用
パーキンソン症状アモキサピン、スルピリドで起きやすい減量。改善しないときはアキネトン®などの抗コリン薬併用。ドパミン受容体ブロック
嘔吐・食欲不振・下痢1-2週間で軽快食直後や牛乳を飲んで服用。胃腸薬併用。ひどければ中止。セロトニン(5HT3, 5HT4)受容体刺激
体重増加あまりにも体重増えるようなら薬剤変更運動・食事抗ヒスタミン作用
性機能障害-減量・中止・変更。バイアグラ®など併用。5HT2A(セロトニン)亢進
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