
レメロン(一般名:ミルタザピン)は、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)に分類される抗うつ剤です。
ここではレメロン錠に関する薬価について説明しています。
レメロン錠の詳細については以下を参考にしてください。
ちなみにレメロンは2017年10月現在、ジェネリック医薬品(後発医薬品)は発売されていません。
目次
レメロンの薬価とジェネリック医薬品
レメロン錠15mg・30mgの薬価
15mg錠 170.80円
30mg錠 281.00円
用法は15mgを1日1回が初期量で、1日最大量は45㎎ですから1ヶ月の薬剤にかかる費用(調剤料などを除く)は5124円~8460円、3割負担で1537円~2538円です。
※実は2016年度の薬価ではレメロン30mg錠は、同じNaSSAのリフレックス30mg錠よりわずか1円安いのです。
レメロンのジェネリック医薬品
ジェネリック医薬品とは開発品の特許期間が満了した後で発売される成分が等しく値が安い医薬品のことで後発医薬品ともいいます。
通常価格の半額以下なので効果はそのままでリーズナブルな医薬品なのです。
しかし、レメロンは2017年10月現在、ジェネリック医薬品(後発医薬品)は発売されていません。
抗うつ剤の市場と歴史
良くも悪くもこれからお話することを知らずにはレメロンをはじめ、その他SSRIやSNRIなどの抗うつ剤のあり方を考えることはできないと思いますのでここで経済事情をふくめ解説します。
まず厚生労働省が示しているうつ病の患者数に関するグラフをご覧ください。
平成11年(1999年)から平成14年(2002年)にかけて、うつ病患者数が急増しています。
平成11年には44万人だったのが平成14年には71万人、そして平成20年には100万人を突破しています。
2000年はITバブルがはじけた時代ですからこれが影響したのでしょうか?
不況もあるのかもしれませんが、一番作用したのは平成11年(1999年)から行われたうつ病啓発キャンペーンが要因です。
「うつ病は心のかぜ」「お父さん眠れてる?」は聞き覚えのあるキャッチフレーズではないでしょうか?
これは主に製薬会社による啓発キャンペーンです。
抗うつ剤の売り上げは98年には173億円だったのが、翌年以降増え続け2006年には98年の5倍の875億円に達しました。
99年にうつ病啓発キャンペーンが行われると同時に最初のSSRIが販売され、ここからSSRI、SNRIが次々と国内にも登場していきました。
2009年にSSRI、SNRIとは違う作用機序を持つNaSSAと呼ばれる抗うつ剤(レメロン)が登場し、ここ数年では抗うつ剤全体の売り上げは1300億円にものぼります。
1999年にSSRIが登場する前の抗うつ剤は副作用も多いため、なかなか処方しにくいお薬でした。
三環系抗うつ薬などと比べ副作用の少ない、抗うつ効果もしっかり出るSSRIの登場はその意味で画期的だったのです。
ただあまりに画期的な登場であったため、その宣伝手法によってうつ病の概念が広がりすぎてしまったのです。
ですからSSRI本来の効能効果を超えて過剰に処方されてしまっているというのが実態なのかもしれません。
あまりにうつの概念が独り歩きし出して、効かない患者さんもそれなりにいるようになってしまっているのでしょう。
2012年に日本うつ病学会はガイドラインでは軽度のうつ病には薬を優先しない方針に切り替えています。
米国ではこういった抗うつ剤のキャンペーンに関する訴訟が起こっており、中でも2012年には若年者に対し有害事象の証拠がありながら安全で効果的だとして薬のマーケティングを行なったため、SSRIを販売している英グラクソスミスクライン社は米司法省に30億ドルという高額な和解金を支払っています。
また若年者への抗うつ剤の使用に関しては定まったものはありません。
その理由は、若年者への抗うつ剤の使用はかえって自殺の衝動を高めるリスクがあるのです。
とはいっても、若年者の不安障害や強迫性障害に有効な例もあるため全面的に使用してはいけないわけではありませんが・・・。
このように抗うつ剤自体の効果を超えたキャンペーンなどが独り歩きすることによって、実害は患者さん側に及ぶわけです。
くれぐれも抗うつ剤に問題があるというわけではないことはご理解いただければと思います。
まとめ「レメロン15mg・30mg錠の薬価とジェネリック」
レメロン錠には15㎎錠と30㎎錠が存在します。
2016年4月改訂の薬価で15㎎錠は1錠あたり170.20円、30㎎錠で281.00円です。
1日の最大量は45㎎ですから1日にこれら2つの錠剤を内服することになりますので451円(3割負担で1日当たり135円)になります。
2017年10月現在、レメロンにはジェネリック医薬品はありません。
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