医者が教えない精神科のこと |メンタルクリニックDr's INFO | 精神科・心療内科

医者が教えてくれない精神科のことを医師がわかりやすく解説

レメロンの離脱症状 -医師が教える抗うつ剤-

このコンテンツは医学論文データベース「PubMedパブメド」とわたくし医師個人の経験をもとに、正しい情報をわかりやすく解説することをモットーにしています。
レメロンの離脱症状 -医師が教える抗うつ剤-

離脱症状とは抗うつ剤を断薬・減薬(自己判断でも医師の指示においても)したために起こる不快な症状(めまい、吐き気、頭痛、お腹の症状、不眠、不安など)をいいます。
お薬を減らしたり止めると数日で症状は出現し、しばしばうつ症状が再発したものと間違われやすいのですが、離脱症状とうつの再発とは違います。

一般的に抗うつ剤は減薬するときには離脱症状に注意しなくてはいけません。
抗うつ剤を突然やめたり、一気に減らすと離脱症状が出てきてしまい苦しめられることがあります。

レメロンはNaSSAナッサ(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)に分類される抗うつ剤です。
抗うつ剤と言えばSSRIやSNRIが有名です。

レメロン(NaSSA)は比較的離脱症状は起こしにくいとされる抗うつ剤ですが、SSRIやSNRIなどの抗うつ剤とは少し違った特徴で離脱症状を起こすことがあるのです。

離脱症状はお薬を断薬・減薬してから数日以内に症状が出始め、1-3週間程度でおさまります
そして減らす前の元の量に戻すことでほとんどの離脱症状は消失します。

自己判断での減薬・断薬によって離脱症状を引き起こして悩まされることが多いのですが、ときに医師の指示で慎重に減薬していたとしても出てしまうことがあります。

離脱症状には特徴的な症状があります。
電気が走ったような感覚がきたり、頭の中でシャンシャンするような音が聞こえるという独特な症状です。

その特徴から「シャンビリ」などと表現されることもあります。

海外では「brain zapsブレインザップス」「brain shockブレインショック」などと呼ばれており、日本の「シャンビリ」のように頭の中の電気ショックのような感覚を表しています。

ここではレメロンの離脱症状と対策について説明しましょう。


スポンサーリンク


離脱症状とは

離脱症状とは抗うつ薬を減薬・断薬したときに出てしまう症状で、レメロンに限らず他の抗うつ剤でも起こります。
特に急激なお薬の中断が離脱症状を引き起こすリスクを高めますが、仮にゆっくり減らしていたとしても症状が出現することがあります。

離脱症状といえばアルコールや覚せい剤などの薬物でよく耳にしますが、これらは依存性のある物質でそういった物質をやめたときに出てきてしまう症状を本来は離脱症状といいます。

英語では依存性物質のアルコール離脱症候群で使用される「withdrawalウィズドローアル」という言い方はしません。

抗うつ剤をやめたとき離脱症状は、「discontinuation; 中止」を使用して「discontinuation syndrome; 中止後発現症状ちゅうしごはつげんしょうじょう」と言われています。

厳密には依存物質と区別して、「離脱症状」ではなく中止後に出る症状という意味合いで「中止後発現症状」が正しい言い回しのようです。

ただここでは離脱症状の方がイメージしやすいと思いますのでこの言い方で説明していきます。

離脱症状の起こる頻度としては20%くらいの方にみられます。
いきなりやめても何ともないことの方が通常は多いのです。

しかも抗うつ剤を1回飲んだくらいでは離脱症状は起こりません。
一般に抗うつ剤をおよそ6週間以上飲んでから、急にやめたり減らすと離脱症状は出現してしまうリスクが高まると考えられます。

症状が出始めるタイミングは、多くは中断後3日以内(早ければ数時間以内という報告もあります)です。

逆に抗うつ剤を飲んでいる期間が1か月以内では離脱症状が起こることはあまりないので減薬は可能ですが、通常抗うつ剤は短くても1年程度は飲み続けることになっています。
よほど飲み初めに副作用が強く出た場合の中止を除けば、普通は長く飲んでいることが多いでしょうから、やめるときには離脱症状のリスクは考えないといけないことになります。

現在抗うつ剤には様々なものがありますが、うつ病・うつ状態に対して処方されることが多いのは安全性と効果の面でバランスがとれている「SSRI」「SNRI」「NaSSA」です。
レメロン錠はこれらの中で「NaSSA」に分類されます。

離脱症状の原因となる抗うつ剤はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:パキシル、レクサプロ、ジェイゾロフトなど)が最も有名ですがそれ以外にも、SNRI(トレドミン、サインバルタや日本では2015年に承認されたイフェクサーSR)、昔からある三環系抗うつ薬、トラゾドン(デジレル、レスリン)など様々な種類の抗うつ剤でも離脱症状は起こります。

最初にも言いましたが、離脱症状は決してレメロンだけに起こる副作用ではありません。

離脱症状ではどんな症状がおこる?

離脱症状による主な症状

  • めまい
  • 筋力低下
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 抑うつ
  • 不安
  • 不眠
  • 集中力低下
  • インフルエンザ様の症状
  • 知覚異常

離脱症状には多彩な症状があります。

薬を急にやめたり減らしているときに起こることや、不安症状が強くでたり気分の変動もでたりするのでうつ病が再発したかのようにも見えるのも特徴です。

再発と離脱症状の区別はつきづらく、自身でも薬を変えたりやめたりしていないかは思い起こしてみましょう。

うつの再燃との区別はそれくらいつきにくいのですが、区別できるものとしてうつ病の再発と明らかに違う症状があります。
それは「シャンビリ」と呼ばれる症状です。

添付文書などでは知覚異常や耳鳴りと書かれていますが、電気が走ったような感覚に襲われるというとても独特な症状です。
ネット上では、この電気ショックのような「ビリビリ」した感覚と、シャンシャンとした耳鳴りを合わせて「シャンビリ」という表現が多々見られます。
これについては後述します。

抗うつ剤によって少し異なる離脱症状の種類

現在、最初に処方される抗うつ剤(新規抗うつ剤といいます)は3つあります。


    SSRI:パキシル、ルボックス/デプロメール、ジェイゾロフト、レクサプロ
    SNRI:トレドミン、サインバルタ、イフェクサーSR
    NaSSA:リフレックス、レメロン

またこれ以外にも三環系抗うつ薬などその他の抗うつ薬も存在しますが、主力はやはり上記新規抗うつ薬です。
離脱症状は新規抗うつ薬のいずれでも起こりえますがSSRIとそれ以外のお薬では症状の特徴が微妙に違うのでそれについて解説しましょう。

つまり「SSRI」「NaSSAやSNRI」「三環系抗うつ薬」の3つで特徴が異なるわけです。

全身症状

インフルエンザのような症状(発熱、だるさ、関節の痛み)や頭痛、無気力感はいずれの抗うつ薬でも共通して出る離脱症状です。

胃腸症状

NaSSAでは離脱症状による胃腸症状は少なく、せいぜい食欲がでないくらいです。
SSRIや三環系抗うつ剤の離脱症状では、腹痛、下痢、吐き気がでることがあります。

睡眠障害

不眠、悪夢を見るはどの抗うつ剤の離脱症状でもでます。

平衡感覚へいこうかんかくの異常

めまいはいずれの抗うつ剤の離脱症状でもでますが、レメロンでは運動失調や意識がもうろうとする感覚までは少ないです。
その症状まで出るのはSSRIや三環系抗うつ薬にみられる離脱症状の特徴です。

感覚異常

離脱症状で有名な電気ショックのような感覚ですが、実は新規抗うつ薬に特徴的な離脱症状なのです。
三環系抗うつ薬には認められません。

さらにSSRIでは目のかすみやしびれまで出ることがあります。

運動症状

いずれの抗うつ剤にも特徴的なのはアカシジアです。
アカシジアとはじっとしていられないようなそわそわ、むずむずがでる症状のことをいいます。

またSSRIに特徴的なのはパーキンソン症状(姿勢が前傾になり、ふるえがでたり動きが硬くなり、足が動かしにくいような症状)や振戦(一定の周期で手指などが小刻みに動く)ですが、レメロンでここまでの症状がでることは極めてまれでしょう。

気分の障害

レメロンをはじめいずれの抗うつ剤でも気分の落ち込みや不安が離脱症状として出ます
この症状がうつ病の再発と思われがちですが、中止後数日以内にでたり再服薬して症状がすぐに改善することで鑑別します。

一方、SSRIの離脱症状ではイライラや攻撃性があらわになるようなこともあります。

参考文献
Warner CH, et al. Antidepressant Discontinuation Syndrome. Am Fam Physician. 2006 Aug 1;74(3):449-56.

離脱症状の期間

抗うつ剤の中止後や減薬後、1-5日以内に症状が出現しおさまってくるのに要する時間はほとんどが2-6週間以内、長いもので12-14週間(約3か月)であった報告があります(日本の報告ではありませんが)。

症状は先の通りめまい、吐き気、だるさ、知覚異常、注意散漫、じっとしていられない感覚(焦燥感)、興奮が特徴的です。
もちろん知覚異常はシャンビリ(耳鳴りと電気ショック様の症状)を示すと考えられます。

参考文献
Fava GA, et al. Withdrawal Symptoms after Selective Serotonin Reuptake Inhibitor Discontinuation: A Systematic Review. Psychother Psychosom. 2015 Feb 21;84(2):72-81.


スポンサーリンク


レメロンの減薬・断薬で離脱症状が起こるのはなぜ?

薬の半減期は離脱症状と関連する

一般に離脱症状は「どれくらいの期間内服していたか」と抗うつ剤の「半減期」が関連すると考えられています。

まず「半減期」とは何か説明しますと、抗うつ剤の濃度が薬を飲んで最高の濃度に達した後、代謝されて血中の濃度が落ちていきますがある濃度から半分の濃度に減ってしまうまでの時間をいいます。
つまりどれくらいで薬の成分が弱くなってくるかという時間が半減期です。

これが短いと、体内の変動が激しく離脱症状を起こしやすい要因になります。
薬の半減期が離脱症状の起こりやすさと関係するということです。

以下に抗うつ剤の半減期一覧を示します。

抗うつ剤 半減期(hr) 抗うつ剤 半減期(hr)
三環系 四環系
アナフラニール 21 テトラミド 18
ノリトレン 27 ルジオミール
マプロチリン
46
トリプタノール
アミトリプチリン
20-40 テシプール
セチプチリン
24
アモキサン 8 NaSSA
トフラニール
イミドール
9-20 レメロン
リフレックス
32
SSRI SNRI
パキシル
パロキセチン
14 トレドミン 8.2
パキシルCR 20 サインバルタ 10.6
ジェイゾロフト
セルトラリン
26 イフェクサーSR 3-13
レクサプロ 30 その他
デプロメール
ルボックス
フルボキサミン
8.9 レスリン
デジレル
6-7
ドグマチール
スルピリド
8

【参考】今日の治療薬2016(南江堂), Christopher H, et al. Am Fam Physician. 2006 Aug 1;74(3):449-56.

レメロンの半減期は23~32時間です。
半減期は長いですから、1日1回のみの内服となっています。

薬によっては代謝された後の成分も薬効を持つことがありますので単純に半減期だけで話できないこともあります。
しかし、レメロンは肝臓で代謝されたあとは薬効成分を失いますので約1日で効力は半減するとみて良いでしょう。

レメロンはこの長い半減期ゆえに、離脱症状を起こしにくいです。

その他、遺伝子、年齢や性別、もとが何の疾患だったかは関係なく、離脱症状が起こる決定的な理由はいまだわかっていません。
とにかく薬が急に身体からなくなってしまうその反動であることはイメージしやすいと思います。

ここからもう少し詳しい説明をしますが難しければskipしてください(コチラをクリックで次の章を飛ばします)。

離脱症状の起こる機序

ほとんどの抗うつ剤は基本的に、神経伝達物質「セロトニン」に関わることで作用します。
レメロンも基本的には同じです。

神経の伝達は基本電気信号ですが、神経細胞は次の神経細胞とシナプス結合をしています。
神経と次の神経とのやり取りでは神経伝達物質といって、セロトニンやノルアドレナリン、ドパミン、ヒスタミン、アセチルコリンといった物質を介します。

レメロンはNaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)に分類されますからその中で、ノルアドレナリンとセロトニンに関連するわけです。
ここではセロトニンへの作用の仕方を取り上げましょう。
レメロンそのものの作用機序は以下の記事を参照してください。

次の神経が、前の神経が放出するセロトニンを受け取る部分を受容体じゅようたいといいます。
レメロンはこのセロトニン受容体をブロックする作用を持ちます。

厳密には一部のセロトニン受容体をブロックして、抗うつ作用を出させる受容体にその分多くのセロトニンを届けさせるイメージでしょうか。
リフレックス・レメロンの作用機序

これによってセロトニンは一部の受容体に多くが伝達されることで抗うつ作用を発揮します。
離脱症状は、薬が急に薬の濃度が減ってしまうことで、それまで多く伝達されていたセロトニンが急に来なくなることで症状が発現してしまうのです。

もちろんセロトニンだけではなく、抗コリン作用の反動などその他の機序もあるでしょうが現時点でははっきりとはわかっていません。
薬によってつくられていた環境に身体が適応した状態から、急に薬がなくなることで対応できない状態であるのは間違いないでしょう。


スポンサーリンク


離脱症状の対処法

通常、症状は重度まではいかないことが多いので早ければ1週間から2週間程度でおさまります。
もちろん再度抗うつ剤を内服すれば症状は速やかに改善します。(慣れていた環境に戻してあげるという意味です)

とはいえ離脱症状は重度でなかったとしても本人の不快感は強く、仕事や学校を休まなければいけないこともありますし、ときに入院が必要になることもあります。

離脱症状を起こしやすいと想定される状況

特に慎重に減薬していかなければならない状況を確認しておきましょう。

  • 半減期の短い抗うつ剤を飲んでいる(レメロンの半減期は1日あるので長めです)
  • 抗コリン作用の強い抗うつ薬(三環系抗うつ薬、SSRIの一部、SNRI)である
  • 2か月以上続けて抗うつ剤を飲んでいる
  • 抗うつ剤を飲み始めて不安や焦燥感が逆に強くなったことがある
  • 他に抗精神病薬を併用している
  • 若年者(子供や未成年者)
  • 離脱症状を過去に起こしたことがある

対処法1:減薬スピードはゆっくりと

基本は急な減薬・断薬をしないことです。
最低でも1ヶ月かけて薬を止めていくのが無難です。
とはいえゆっくりであっても離脱症状を完全に防げるわけではありません。
ひとたび離脱症状がでるようであればすぐに元の量に戻しましょう。

対処法2:半減期が長い薬に変更してもらう?

レメロンの半減期は抗うつ剤の中でも長く、離脱症状のために半減期を意識した薬の変更(スイッチング)のメリットは少ないでしょう。

レメロンによる離脱症状にどう対処するか

時間をかけて減らすのは抗うつ剤の減薬において大原則です。
一般に、抗うつ剤の飲み始めに副作用(不安や焦燥感など)が目立った場合、離脱症状は起こりやすいと言えます
もし現在断薬・減薬して症状が出ている場合(その症状をそのままやり過ごせない場合)には、いったん再開して離脱症状をおさえるのが先決です。

どうしてもゆっくり減らしても離脱症状が出る場合「隔日投与かくじつとうよ」が有効な時もあります。(文献上で優位に離脱が減らせたという報告はありません、私個人の見解です。)

隔日投与することもひとつの案
レメロンの最大量を飲んでいるところから始めるとすると45mg(15㎎錠と30㎎錠を1日1回寝る前) → 30mg(30mg錠のみ内服) → 15mg → 中止とステップダウンしながら時間をかけて減らしていくのですがこのような階段状の減らし方ではなく、隔日投与は以下のように交互に内服量をかえています。

(1日目)45mg(15mg錠と30mg錠を内服)、(2日目)30mg(30mg錠のみ内服)、(3日目)45mg、(4日目)30mg・・・・・
これを1~2週間続けたら毎日30mg内服になります。

毎日30mgを1~2週間続けたら次も、
(1日目)30mg(30㎎錠のみを内服)、(2日目)15mg(15㎎錠のみを内服)、(3日目)30mg、(4日目)15mg・・・・

といった感じです。
減らすのにかなり時間かかりますが階段状でうまくいかないときでもこの方法ならうまくいくときもあります。

レメロンは離脱症状は起こしにくい薬ですから通常は階段状に減らしても問題がないことが多いでしょう。

もちろん自己判断で行わないでください。
(主治医の減薬スピードよりゆっくりの減薬にするのは大丈夫でしょうが・・・)

レメロンのラインナップは15mg錠と30mg錠の2種類ありますからフルに活かすためにも主治医と相談しながらが大事です!!

ちなみに減薬のタイミングの注意点ですが症状が改善してすぐではありません。
うつ症状が改善した後も4-9か月はその改善させることができた内服量を維持することが推奨はされていることを知っておいてください。

離脱症状はうつ病の再発と区別しづらい

離脱症状の中でも抑うつ、不安、食欲の変化、吐き気、不快などはうつ病と同様な症状です。
しかし、薬をやめて数日以内に症状がでたり、特有のシャンビリが見られたり、再度薬を飲むことですぐに症状が軽くなったりするようであれば離脱症状と考えます。

うつ病の再燃であれば通常薬をやめて2,3週間後から症状がみられ徐々に増悪していきますので、離脱症状のように即座に増悪することは考えにくいでしょう。

もし自己中断して症状に悩んでいるようなら、疑わしくは再開することをおすすめします
離脱症状なら症状は軽快してくるはずです。
医師の指示に従いつつ減薬したり変更して症状がでたときは一旦もとにもどして主治医に報告し相談しましょう。

薬の量をかえたとき症状がでても決して再発したのかもと落胆はしないでください。
落ち着いて対応することが肝心です。
なんせ、離脱症状の頻度は抗うつ剤一般に2割というかなりの頻度です。

このまま薬をやめられないのではないかという不安もあるかもしれませんが、そのときはダメでも再度減薬していくときには問題ないこともあります。

参考文献
Warner CH, et al. Antidepressant discontinuation syndrome. Am Fam Physician. 2006 Aug 1;74(3):449-56.


スポンサーリンク


離脱症状後が長く続く例もある

通常、抗うつ剤の離脱症状といえば上記の通り抗うつ剤をやめて数日くらいででる症状で通常は2週間程度で、長くても2か月くらいでおさまるものをいいます。
これは先にも説明した通りです。

ところが、抗うつ剤をやめてから1ヶ月以上して症状が出現してくる持続性の離脱後症候群(原文ではpersistent postwithdrawal symptoms)が報告されています。

持続性の離脱症状」は薬をやめた後、数か月たってからの症状の出現になりますので、患者さんは医療機関にも受診していないことも多いです。
ですから正確に把握することは難しいので、その論文も患者さんが抗うつ薬をやめたあとに悩んでいるセルフレポートをGoogleで検索してのリサーチになっています。

それによると、ほとんどがSSRIによるものでしたが、やはりシャンビリのことは共通して書かれています。
中止してすぐに出始めた人、2週間くらいしてからこの症状が出た人・・・。
(ちなみにこの文献で紹介されているのはすべてSSRIですのでNaSSAのレメロンは含まれていません。)

ちなみにこの文献では、離脱症状の件で主治医に相談すると「その症状が起こるはずはない!」と言われてしまっていたようです。
今でこそ有名ですが、昔はシャンビリなどまさか薬によって出るとは思いもしません。

その他、睡眠障害、頭痛、不安発作、パニック発作、抑うつ症状、指先の異常な感覚などを訴えていますが通常の離脱症状と違うのは数か月から数年も続いていることです。

これが単なるうつや不安発作の再発なのか(患者さん本人たちはもともとこうではなかったと言っています)、本当に離脱症状の後の薬の後遺症状なのか、不明点は多々ありますが遅れて症状が出てしかも比較的長く続くことはあるようです。

参考文献
Belaise C, et al. Patient Online Report of Selective Serotonin Reuptake Inhibitor-Induced Persistent Postwithdrawal Anxiety and Mood Disorders. Psychother Psychosom 2012;81:386–388.

まとめ「レメロン錠の離脱症状」

  • レメロンは抗うつ剤の中では離脱症状は起こしにくいが、それでも起こることはある
  • 離脱症状は抗うつ薬を減薬・断薬、ときに薬の変更をしたときに出てしまう症状(多いのはめまい、電気ショック様の独特な症状がでることもある)
  • 離脱症状はまだ正確な機序はわかっていないものの、急激なセロトニンをはじめとした神経伝達物質の変化に身体が対応しきれないことによると考えられる
  • それゆえ離脱症状は薬の半減期と関連している(レメロンの半減期は比較的長く、起きにくいといえる)
  • 離脱症状は2週間(長くても6週間)程度で落ち着くが、抗うつ剤を再開すれば速やかにおさまる
  • 離脱症状を起こさないために、断薬を勝手にしないことはもちろん、減薬のときもゆっくり行うことが重要
  • 離脱症状はときにうつ病や不安症状の再発と勘違いしやすいが、薬をやめてすぐに症状がでたり、薬をもどせばすみやかに改善するという特徴がうつ病の再発との違い

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

コメントはこちらからお願いします

*
*
* (公開されません)

当クリニックへ受診希望の方

当サイト「医師が教えない精神科のこと」を運営しております「赤羽南口メンタルクリニック」へ受診希望の方は以下のページよりご予約下さい。 当院ではセカンドオピニオンを含む薬物治療に関するご相談、光トポグラフィー検査、磁気刺激治療(TMS治療)、カウンセリング等行っております。
当クリニックへ受診希望の方
Return Top