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トレドミン錠の離脱症状

離脱症状とは抗うつ剤を断薬・減薬(自己判断でも医師の指示においても)したときに数日以内にでてくる不快な症状(めまい、吐き気、頭痛、お腹の症状、不眠、不安など)をいいます。
お薬を減らしたり止めていくときにでる症状なのでしばしばうつの再発と間違われます。

トレドミン錠はSNRI(選択的セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬)に分類される抗うつ剤です。
抗うつ剤ですから、基本的に減薬のときには離脱症状に注意しなくてはいけません。
つまり突然飲むのをやめたり、一気に減らしてはいけません。

それでもトレドミンは他の抗うつ剤と比較して離脱症状は起こしにくいのが特徴です。

離脱症状はお薬を断薬・減薬して数日以内に症状が出始め、1-3週間程度でおさまります
そして減らす前の元の薬の量に戻すことでほとんどの離脱症状は消失します。

自己判断での減薬・断薬によって症状に悩まされることが多いのですが、ときに医師の指示で慎重に減薬していたとしても出てしまうことがあります。

離脱症状には電気が走ったような感覚がきたり、頭の中でシャンシャンするような音が聞こえるという独特な症状があります。
その特徴から「シャンビリ」などと表現されることもあります。

海外でも同じようにこの独特な症状を「brain zapsブレインザップス」「brain shockブレインショック」などとSNSでも呼ばれていることから、日本での「シャンビリ」のようにこの感覚がいかに独特であるかを表しています。

ここではトレドミンの離脱症状について説明していきたいと思います。


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トレドミン錠の離脱症状の特徴とは

トレドミンは他の抗うつ剤に比べて離脱症状を起こしにくいお薬です。

日本のクリニックでのデータですが、外来患者における離脱症状の発生率を示す文献がありましたので紹介しましょう。

<ある日本のクリニックにおける離脱症状の発生率>

  • パキシル(パロキセチン、SSRI):12.1%(55名/453名)
  • ルボックス/デプロメール(フルボキサミン、SSRI):4.8%(63名/1306名)
  • トレドミン(ミルナシプラン、SNRI):0.7%(6名/916名)

【参考文献】
Fumihiko Okada. Why does milnacipran produce so few discontinuation syndromes following abrupt withdrawal? Neuropsychiatr Dis Treat. 2007 Feb; 3(1): 181–182.

もちろん離脱症状を起こさないわけではないので注意は必要です。
実際に症例報告もされています。

【参考文献】
輿石 徹, 奥山 清. ミルナシプラン投与中にセロトニン症候群を疑われた症状を呈し、中止後に離脱症状を経験した1例. 薬学雑誌 136(12)1675-1679,2016.

離脱症状というのは、抗うつ薬を減薬・断薬したときに出てしまう症状で、トレドミンに限らず他の抗うつ剤でも起こります。
特に急激なお薬の中断がそのリスクを高めますが、ゆっくり減らしたとしても症状がでることはあります。

離脱症状といえばアルコールや覚せい剤などの薬物でよく聞くと思います。
これらは依存性のある物質で、そういった物質をやめたときに出てきてしまう症状を本来は離脱症状といいます。

英語では依存性物質のアルコール離脱症候群で使用される「withdrawalウィズドローアル」という単語ではなく、抗うつ剤をやめたときの症状では「discontinuation; 中止」を使用して「discontinuation syndrome; 中止後発現症状ちゅうしごはつげんしょうじょう」という言いまわしになっています。

この流れを受けて日本でも中止後発現症状と言っているのはあまり耳にしませんが、厳密に依存物質と区別するなら「離脱症状」ではなく中止後に出る症状という意味合いで「中止後発現症状」が正しいようです。
ただここでは離脱症状の方がイメージしやすいと思いますのでこの言い方で説明していきます。

先に、離脱症状の起こる頻度としてはお薬をを減らしたりやめたりすると20%くらいの方にみられることを説明しました。
実際には1回でも飲めば止めると症状がでるわけではありません。

一般に抗うつ剤をおよそ6週間以上飲んでから、急にやめたり減らすと離脱症状は出現してしまうリスクが高まると考えられます。

症状が出始めるタイミングは、多くは中断後3日以内(早ければ数時間以内という報告もあります)です。
逆に抗うつ剤を飲んでいる期間が1か月以内では離脱症状が起こることはあまりないので減薬は可能ですが、通常抗うつ剤は短くても1年程度は内服することになっていますのでよっぽど副作用が強い場合の中断だけが飲み始め1ヶ月以内の減薬・断薬となるのでしょう。

現在抗うつ剤には様々なものがありますが、うつ病・うつ状態に対して処方されることが多いのは安全性と効果の面でバランスがとれている「SSRI」「SNRI」「NaSSA」です。
トレドミン錠はこれらの中で「SNRI」に分類されます。

離脱症状の原因となる抗うつ剤はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:パキシル、レクサプロ、ジェイゾロフトなど)が最も有名ですがSSRIに限らず、トレドミンの属するSNRI(その他にサインバルタや日本では2015年に承認されたイフェクサーSR)、昔からある三環系抗うつ薬、トラゾドン(デジレル、レスリン)など様々な種類の抗うつ剤でも離脱症状は起こります。

離脱症状はどんな症状がおこる?

離脱症状による主な症状

  • めまい
  • 筋力低下
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 抑うつ
  • 不安
  • 不眠
  • 集中力低下
  • インフルエンザ様の症状
  • 知覚異常

離脱症状は多彩な症状がでます。
また薬を急にやめたり減らしているときに起こることや、不安症状が強くでたり気分の変動もでたりするのでうつ病が再燃したかのようにも見えるのも特徴です。
主治医に相談するときは、「うつの再発ですか?」と聞くよりは正直に「薬を減量したらこういう症状がでたんですが・・・」と伝えるのがベストです。

再発と離脱症状の区別がつきづらく、再燃となると薬の量や種類が増えることにもなりかねません。

うつの再燃との区別はそれくらいつきにくいのですが、それでも症状の中でうつ病の再発と明らかに違う症状があります。
それは「シャンビリ」と呼ばれる症状です。

添付文書などでは知覚異常や耳鳴りと書かれていますが、電気が走ったような感覚に襲われるというとても独特な症状です。
ネット上では、この電気ショックのような「ビリビリ」した感覚と、シャンシャンとした耳鳴りを合わせて「シャンビリ」という表現が多々見られます。
これについては後述します。

離脱症状の期間

抗うつ剤の中止後や減薬後、1-5日以内に症状が出現しおさまってくるのに要する時間はほとんどが2-6週間以内、長いもので12-14週間(約3か月)であった報告があります(日本の報告ではありませんが)。

症状は先の通りめまい、吐き気、だるさ、知覚異常、注意散漫、じっとしていられない感覚(焦燥感)、興奮が特徴的です。
もちろん知覚異常はシャンビリ(耳鳴りと電気ショック様の症状)を示すと考えられます。

【参考文献】Fava GA, et al. Withdrawal Symptoms after Selective Serotonin Reuptake Inhibitor Discontinuation: A Systematic Review. Psychother Psychosom. 2015 Feb 21;84(2):72-81.

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トレドミンの減薬・断薬で離脱症状が起こるのはなぜ?

薬の半減期は離脱症状と関連する

一般に離脱症状は「どれくらいの期間内服していたか」と抗うつ剤の「半減期」が関連すると考えられています。

まず「半減期」とは何か説明しますと、抗うつ剤の濃度が薬を飲んで最高の濃度に達した後、半分の濃度に減ってしまうまでの時間です。
つまりどれくらいで薬の成分が弱くなってくるかという時間が半減期です。

これが短いと、体内の変動が激しく離脱症状を起こしやすい要因になります。
薬の半減期が離脱症状の起こりやすさと関係するということです。

以下に抗うつ剤の半減期一覧を示します。

抗うつ剤半減期(hr)抗うつ剤半減期(hr)
三環系四環系
アナフラニール21テトラミド18
ノリトレン27ルジオミール
マプロチリン
46
トリプタノール
アミトリプチリン
20-40テシプール
セチプチリン
24
アモキサン8NaSSA
トフラニール
イミドール
9-20レメロン
リフレックス
32
SSRISNRI
パキシル
パロキセチン
14トレドミン8.2
パキシルCR20サインバルタ10.6
ジェイゾロフト
セルトラリン
26イフェクサーSR3-13
レクサプロ30その他
デプロメール
ルボックス
フルボキサミン
8.9レスリン
デジレル
6-7
ドグマチール
スルピリド
8
【参考】今日の治療薬2016(南江堂), Christopher H, et al. Am Fam Physician. 2006 Aug 1;74(3):449-56.

SNRIに分類されているトレドミンの半減期は8.2時間です。
ですから、1日1回のみの内服では1日効果は持続しないばかりかそれこそ離脱症状がでてしまう可能性があります。
そのためトレドミンの用法は1日2~3回内服するようになっています。

しかし、トレドミンの半減期は他の抗うつ剤と比べても短い割に離脱症状は起こしやすいわけではありません

SNRI(選択的セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬)に分類されるトレドミンはセロトニンだけでなく、ノルアドレナリン系も増強させる2系統の増強作用があります。
離脱症状の少なさはこれに関連すると推測されていますが、サインバルタやイフェクサーSRなど他のSNRIは離脱症状を起こしにくいわけではありません。

トレドミンのユニークな作用がやはりあるのでしょう。
確かに日本ではトレドミンはうつ病に承認がとれたお薬ですが、アメリカではうつ病に対する承認はなくむしろ神経障害性疼痛という痛みの薬として承認されているのです。
SNRIなのに抗うつ剤ではないという何ともユニークな特徴です。

それはどういうことでしょうか?

抗うつ効果を強く持つSNRI(要は米国でもうつ病薬として承認のあるSNRI)はサインバルタとイフェクサーSRですが、これらはセロトニンとノルアドレナリンの2系統を増強しつつも、セロトニンに主軸を置いた薬なのに対して、トレドミンはセロトニンよりもノルアドレナリンに主軸を置いたお薬なのです。

このことがトレドミンの最大の特徴であり、セロトニン離脱症状が起きにくい理由なのかもしれません。

その他、遺伝子、年齢や性別、もとが何の疾患だったかは関係なく、離脱症状が起こる決定的な理由はいまだわかっていません。
とにかく薬が急に身体からなくなってしまうその反動であることはイメージしやすいと思います。

ここからもう少し詳しい説明をしますが難しければskipしてください(コチラをクリックで次の章を飛ばします)。

離脱症状の起こる機序

現在のところ離脱症状が起こる原因の有力な説は「セロトニン受容体じゅようたい脱感作だつかんさ」が考えられています。

セロトニンは聞いたことあるけど、「受容体って?」「脱感作って何?」となってしまいますね。
ここをわかりやすく説明していきましょう!

ひとことで簡単に説明するなら、「せっかく身体が薬になれてきたところなのに急になくなるなよ!」ってことなのです。

一般に抗うつ剤は、飲んですぐに効果がでないことは処方された最初に主治医から聞いていると思いますが、通常は飲み始めて2週間くらいして抗うつ効果が出始めます。
ではなぜタイムラグがあるのでしょうか?

まず大前提をお話します。


トレドミンなどSNRIの作用機序は神経伝達物質しんけいでんたつぶっしつであるセロトニンとノルアドレナリンを強めることにあります


そして離脱症状に関してはセロトニンが主に関連しているようです。

神経と次の神経との間でセロトニンという物質を介して行います。
最初の神経が、次の神経にセロトニンをお届けしますが、次の神経にはセロトニンを受け取るポストがいっぱいあるので、そのどれかに届ければいいのです。

荷物:セロトニン

同時に、最初の神経にはセロトニンをリサイクルする業者もいてポストに届けようと思ったらリサイクルで回収されてしまうこともあります。
つまりすべてのセロトニンをポストにお届けできません。

抗うつ剤はこのリサイクル業者(この絵ではヤギ)を働かせなくさせます。
これによって多くのセロトニンを次の神経のポストにお届けすることができるわけです。

しかし、最初の段階では抗うつ効果よりもセロトニンがたくさん届けられることによる副作用の方が目立ってしまいます。
それはそうですね、もとより多くメールが届くようになったのですから反応してしまいます。

たくさんセロトニンが届けられて次の神経もびっくりするのか、身体も対抗してポストを徐々に減らし始めます。
「これでダイレクトメールが届きにくくなったでしょう!」ってことですね。

このようにして、過度なセロトニン受取りによる副作用を減らし、適度にセロトニンを増やすことに成功します。
こうなって初めて抗うつ剤による効果が出だして副作用がおさまるのです。
身体がセロトニンがたくさん来る環境にうまく適応するわけですね。

この一連の流れはこのように言い換えられます。


  • セロトニンを受け取るポスト = セロトニン受容体
  • 時間をかけてポストの数を減らしていくこと・慣れていくこと = セロトニン受容体の脱感作

抗うつ薬をある程度の期間飲んでポストを減らした状態、すなわちセロトニン受容体の脱感作を起こさせた状態になることが背景にあります。
そしてそこから抗うつ薬がなくなりセロトニンそのものも減ると、お届け物(セロトニン)が減り、それだけならまだしも、ポストも少なくなった状態(セロトニン受容体の脱感作)になっているのでダブルパンチをくらうことになります。
これでは過度にセロトニンが作用しなくなりすぎてしまうのです。

つまり離脱症状は過度にセロトニンが不足してしまう状態なのです。

セロトニンが増えた環境から、急に元に戻るのは脳にとってはとんでもないことでしょうね。

ただし、先にも述べましたがトレドミンはセロトニンよりもノルアドレナリンに主軸が置かれた薬であることから、他の抗うつ剤と比べても半減期が短い割に離脱症状の頻度が少ないのです。

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離脱症状の対処法

通常、症状は重度まではいかないことが多いので早ければ1週間から2週間程度でおさまります。(仕組みでいうならポストがもとに戻れば、すなわち「セロトニン受容体の脱感作が戻れば」改善するということになります)
もちろん再度抗うつ剤を内服すれば症状は速やかに改善します。(慣れていた環境に戻してあげるという意味です)

とはいえ離脱症状は重度でなかったとしても本人の不快感は強く、仕事や学校を休まなければいけないこともありますし、ときに入院が必要になることもあります。

離脱症状を起こしやすいと想定される状況

特に慎重に減薬していかなければならない状況を確認しておきましょう。

  • 半減期の短い抗うつ剤を飲んでいる(トレドミンは約8時間と短めだが、離脱症状は比較的起こしにくい)
  • 抗コリン作用の強い抗うつ薬(三環系抗うつ薬、SSRIの一部、SNRIにも抗コリン作用はノルアドレナリン増強によって相対的にある)である
  • 2か月以上続けて抗うつ剤を飲んでいる
  • 抗うつ剤を飲み始めて不安や焦燥感が強くなった
  • 他に抗精神病薬を併用している
  • 若年者(子供や未成年者)
  • 離脱症状を過去に起こしたことがある

対処法1:減薬スピードはゆっくりと

基本は急な減薬・断薬をしないことです。
最低でも1ヶ月かけて薬を止めていくのが無難です。
とはいえゆっくりであっても離脱症状を完全に防げるわけではありません。
ひとたび離脱症状がでるようであればすぐに元の量に戻しましょう。

対処法2:半減期が長い薬に変更してもらう?

トレドミンは比較的半減期が短いお薬です。
とはいえトレドミン自体は他の抗うつ剤よりも離脱症状は起こしにくいため、単純に半減期が短いからという観点だけで他の抗うつ剤に変更するメリットは少ないでしょう。

トレドミンによる離脱症状の具体的な対処法

時間をかけて減らすのは抗うつ剤の減薬において大原則です。
一般に、抗うつ剤の飲み始めに副作用(不安や焦燥感など)が目立った場合、離脱症状は起こりやすいと言えます
もし現在断薬・減薬して症状が出ている場合(その症状をそのままやり過ごせない場合)には、いったん再開して離脱症状をおさえるのが先決です。

どうしてもゆっくり減らしても離脱症状が出る場合「隔日投与かくじつとうよ」が有効な時もあります。(文献上で優位に離脱が減らせたという報告はありません、私個人の見解です。)

隔日投与することもひとつの案
基本的に減薬はトレドミンの最大量を飲んでいるところから始めるとすると100mg(50㎎錠を1日2回) → 50mg(25mg錠を1日2回) → 30mg(15㎎錠を1日2回) → ・・・とステップダウンしながら時間をかけて減らしていくのですがこのような階段状の減らし方ではなく、隔日投与は以下のように交互に内服量をかえています。

※トレドミン錠は50・25・15・12.5mg錠と4種類あるのでこれらを組み合わせます。

(1日目)100mg(50mg錠を1日2回)、(2日目)50mg(25mg錠を1日2回)、(3日目)100mg(50mg錠を1日2回)、(4日目)50mg(25mgを1日2回)・・・・・
これを1~2週間続けたら毎日50mg内服になります。

毎日50mgを1~2週間続けたら次も、
(1日目)50mg(50㎎錠を1日2回)、(2日目)30mg(15㎎錠を1日2回)、(3日目)50mg、(4日目)30mg・・・・

といった感じです。
減らすのにかなり時間かかりますが階段状でうまくいかないときでもこの方法ならうまくいくときもあります。
トレドミンは離脱症状は起こしにくい薬ですから通常は階段状に減らしても問題がないことが多いでしょう。
半減期は短いので1日2回内服が良いと思います。

もちろん自己判断で行わないでください。
(主治医の減薬スピードよりゆっくりの減薬にするのは大丈夫でしょうが・・・)

トレドミンのラインナップは4種類ありますからフルに活かすためにも主治医と相談しながらが大事です!!

ちなみに減薬のタイミングの注意点ですが症状が改善してすぐではありません。
うつ症状が改善した後も4-9か月はその改善させることができた内服量を維持することが推奨はされていることを知っておいてください。

離脱症状はうつ病の再発と区別しづらい

離脱症状の中でも抑うつ、不安、食欲の変化、吐き気、不快などはうつ病と同様な症状です。
しかし、薬をやめて数日以内に症状がでたり、特有のシャンビリが見られたり、再度薬を飲むことですぐに症状が軽くなったりするようであれば離脱症状と考えます。

うつ病の再燃であれば通常薬をやめて2,3週間後から症状がみられ徐々に増悪していきますので、離脱症状のように即座に増悪することは考えにくいでしょう。

もし自己中断して症状に悩んでいるようなら、疑わしくは再開することをおすすめします
離脱症状なら症状は軽快してくるはずです。
医師の指示に従いつつ減薬したり変更して症状がでたときは一旦もとにもどして主治医に報告し相談しましょう。

薬の量をかえたとき症状がでても決して再発したのかもと落胆はしないでください。
落ち着いて対応することが肝心です。
なんせ、離脱症状の頻度は抗うつ剤一般に2割というかなりの頻度です。

このまま薬をやめられないのではないかという不安もあるかもしれませんが、さらにゆっくり減薬したり他の半減期の長い薬にスイッチして減薬するなど時間はかかりますが他にも手はあります。

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離脱症状後が長く続く例もある

通常、抗うつ剤の離脱症状といえば上記の通り抗うつ剤をやめて数日くらいででる症状で通常は2週間程度で、長くても2か月くらいでおさまるものをいいます。
これは先にも説明した通りです。

ところが、抗うつ剤をやめてから1ヶ月以上して症状が出現してくる持続性の離脱後症候群(原文ではpersistent postwithdrawal symptoms)が報告されています。

持続性の離脱症状」は薬をやめた後、数か月たってからの症状の出現になりますので、患者さんは医療機関にも受診していないことも多いです。
ですから正確に把握することは難しいので、その論文も患者さんが抗うつ薬をやめたあとに悩んでいるセルフレポートをGoogleで検索してのリサーチになっています。

それによると、ほとんどがSSRIによるものでしたが、やはりシャンビリのことは共通して書かれています。
中止してすぐに出始めた人、2週間くらいしてからこの症状が出た人・・・。
(ちなみにこの文献で紹介されているのはすべてSSRIですのでサインバルタは含まれていません。)

この文献では、主治医にはその症状が起こるはずはないと言われてしまっています。
今でこそ有名ですが、昔はシャンビリなどまさか薬によって出るとは思いもしません。

その他、睡眠障害、頭痛、不安発作、パニック発作、抑うつ症状、指先の異常な感覚などを訴えていますが通常の離脱症状と違うのは数か月から数年も続いていることです。

これが単なるうつや不安発作の再発なのか(患者さん本人たちはもともとこうではなかったと言っています)、本当に離脱症状の後の薬の後遺症状なのか、不明点は多々ありますが遅れて症状が出てしかも比較的長く続くことはあるようです。

まとめ「トレドミン錠の離脱症状」

  • トレドミンは抗うつ剤の中では離脱症状は起こしにくいが、それでも起こることはある
  • 離脱症状は抗うつ薬を減薬・断薬、ときに薬の変更をしたときに出てしまう症状(多いのはめまい、電気ショック様の独特な症状がでることもある)
  • 離脱症状はまだ正確な機序はわかっていないものの、急激なセロトニンをはじめとした神経伝達物質の変化に身体が対応しきれないことによると考えられる
  • それゆえ離脱症状は薬の半減期と関連している(トレドミンの半減期は比較的短いが、その割に起きにくい)
  • 離脱症状は2週間(長くても6週間)程度で落ち着くが、抗うつ剤を再開すれば速やかにおさまる
  • 離脱症状を起こさないために、断薬を勝手にしないことはもちろん、減薬のときもゆっくり行うことが重要
  • 離脱症状はときにうつ病や不安症状の再発と勘違いしやすいが、薬をやめてすぐに症状がでたり、薬をもどせばすみやかに改善するという特徴がうつ病の再発との違い
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