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ルボックスの離脱症状

離脱症状とは抗うつ剤を断薬・減薬(自己判断でも医師の指示においても)したときに数日以内にでてくる不快な症状(めまい、吐き気、頭痛、お腹の症状、不眠、不安など)をいいます。
抗うつ剤のやめにくさはここに起因するところもあります。

ルボックス錠は添付文書上は1日2回飲むことになっているお薬ですが、1日1回になることで離脱症状を起こしてしまう人もたまにいます。
薬効が薄れるくらいで出ることもあるくらいの症状ですから、もちろん急に中断するのは危険です。

通常はお薬を断薬・減薬して数日以内に症状が出始め、1-3週間程度でおさまります
そして再度元の薬の量に戻すことで症状は消失しますが、ときに医師の指示で慎重に減薬していたとしても出てしまうことがあります。
また他の抗うつ剤に変更しただけでも離脱症状が出てしまうこともあるくらいです。

離脱症状には電気が走ったような感覚がきたり、頭の中でシャンシャンするような音が聞こえるという独特な症状があります。
その特徴から「シャンビリ」などと表現されることもあります。

海外でも同じようにこの独特な症状を「brain zapsブレインザップス」「brain shockブレインショック」などとSNSでも呼ばれていることから、日本での「シャンビリ」のようにこの感覚がいかに独特であるかを表しています。

ここではルボックス錠による離脱症状とその対処法について説明していきたいと思います。


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ルボックスと離脱症状の関係

離脱症状というのは、抗うつ薬を減薬・断薬したときに出てしまう症状で、ルボックス錠に限らず他の抗うつ剤でも起こりえます。
特に急激なお薬の中断がそのリスクを高めますが、ゆっくり減らしたとしても症状がでることはあります。

離脱症状といえばアルコールや覚せい剤などの薬物でよく聞くと思います。
これらは依存性のある物質で、そういった物質をやめたときに出てきてしまう症状を本来は離脱症状といいます。

ルボックスをはじめ抗うつ剤は一般的には依存性のない薬とされてはいます。
それでも抗うつ剤をやめたときに離脱症状がでることがあるわけですから、これは依存なのかどうか考えものです。

英語では依存性物質のアルコール離脱症候群で使用される「withdrawal」という単語ではなく、抗うつ剤をやめたときの症状では「discontinuation; 中止」を使用して「discontinuation syndrome; 中止後発現症状ちゅうしごはつげんしょうじょう」という言いまわしになっています。

この流れを受けて日本でも中止後発現症状と言っているのはあまり耳にしませんが、厳密に依存物質と区別するなら「離脱症状」ではなく中止後に出る症状という意味合いで「中止後発現症状」が正しいようです。
ただここでは離脱症状の方がイメージしやすいと思いますのでこの言いまわしで説明します。

ルボックス錠をおよそ6週間以上飲んでから、急にやめたり減らすと離脱症状は出現してしまうリスクが高まります。
頻度としてはお薬をを減らしたりやめたりすると20%くらいの方にみられます

症状が出始めるタイミングは、多くは中断後3日以内(早ければ数時間以内という報告もあります)です。
逆に抗うつ剤を飲んでいる期間が1か月以内では離脱症状が起こることはあまりないので減薬は可能ですが、通常抗うつ剤は短くても1年程度は内服することになっていますのでよっぽど副作用が強い場合の中断だけが飲み始め1ヶ月以内の減薬・断薬となるのでしょう。

現在抗うつ剤には様々なものがありますが、うつ病・うつ状態に対して処方されることが多いのは安全性と効果の面でバランスがとれている「SSRI」「SNRI」「NaSSA」です。
ルボックスはこれらの中で「SSRI」に分類されます。

離脱症状の原因となる抗うつ剤はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が最も有名でWikipediaでも「SSRI離脱症候群」という言葉があるほどです。

SSRIもまた副作用が少なくない薬ではありますが、SSRIを飲み始めて1週間以内に副作用が目立った症例では、特に離脱症状が起こりやすいといわれています。

もちろんSSRIに限らず、その他SNRI(サインバルタや日本では2015年に承認されたイフェクサーSR)、昔からある三環系抗うつ薬、トラゾドン(デジレル、レスリン)など様々な種類の抗うつ剤でも離脱症状の報告があります。

もう1点注意したいこととして、他の抗うつ剤(ジェネリック薬品も含む)に変更するときにも離脱症状が起こることが報告されています。

ジェネリックとは元の開発薬の製法の特許が切れたものを他の会社が製造したもので、成分は一緒のお薬です。
ルボックスはアッヴィ合同会社が製造していますが、フルボキサミンマレイン酸塩錠というジェネリック医薬品も15社くらいからでており、ジェネリック医薬品の「フルボキサミンマレイン酸塩錠」にオリジナルのルボックスから変更したときでも離脱症状が起こる可能性はないとは言えないでしょう(もちろん他の抗うつ剤に変えるよりはリスクは低いでしょう)。
フルボキサミンという薬効成分は全く同じですが、ルボックスとジェネリックとは薬のコーティングが違ったりするのが薬の血液中濃度の動きに若干影響するのでしょうか。

違う薬に変更したときは、医師から「もとの薬からスイッチした新しい方の抗うつ剤の副作用でしょう」と言われたり、またジェネリックに変えたときは「うつの再発・再燃かもしれないです」と誤認されやすいので注意が必要です。

自身でも離脱症状の知識がないと、勝手に断薬していたならとくに主治医にはそのことを言いにくいこともあるでしょうし、「うつの再発かも」と医師に伝えてしまえば自己判断の断薬や減薬を疑うことなく、やはり再発ととらえられてしまいお薬がもっと増えてしまう可能性すらあるのです。

離脱症状はどんな症状がでるの?

離脱症状による主な症状

  • めまい
  • 筋力低下
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 抑うつ
  • 不安
  • 不眠
  • 集中力低下
  • インフルエンザ様の症状
  • 知覚異常

離脱症状は多彩な症状がでます。
また薬を急にやめたり減らしているときに起こることや、不安症状が強くでたり気分の変動もでたりするのでうつ病が再燃したかのようにも見えるのも特徴です。
主治医に相談するときは、「うつの再発ですか?」と聞くよりは正直に「薬を減量したらこういう症状がでたんですが・・・」と伝えるのがベストです。

再発と離脱症状の区別がつきづらく、再燃となると薬の量や種類が増えることにもなりかねません。

うつの再燃との区別はそれくらいつきにくいのですが、それでも症状の中でうつ病の再発と明らかに違う症状があります。
それは「シャンビリ」と呼ばれる症状です。

先の表の中では「知覚異常」と書きましたが、電気が走ったような感覚に襲われることがあります。
ネット上では、この電気ショックのような「ビリビリ」した感覚と、シャンシャンとした耳鳴りを合わせて「シャンビリ」という表現が多々見られます。
これについては後述します。

ルボックスによる離脱症状の特徴

ルボックスの中止や減薬後、1-5日以内に症状が出現し、おさまるのに要する時間はほとんどが2-6週間以内、長いもので12-14週間(約3か月)であった報告があります(日本の報告ではありませんが)。
これらではいずれも再度ルボックスの再開や、抗不安薬で対症療法を行っています。

症状は先の通りめまい、吐き気、だるさ、知覚異常、注意散漫、じっとしていられない感覚(焦燥感)、興奮が特徴的です。
もちろん知覚異常はシャンビリ(耳鳴りと電気ショック様の症状)を示すと考えられます。

【参考文献】Fava GA, et al. Withdrawal Symptoms after Selective Serotonin Reuptake Inhibitor Discontinuation: A Systematic Review. Psychother Psychosom. 2015 Feb 21;84(2):72-81.

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ルボックスの減薬・断薬で離脱症状が起こる理由

ルボックスの半減期の短さが離脱症状と関連!?

ところで離脱症状は「どれくらいの期間内服していたか」と抗うつ剤の「半減期」が関連します。

「半減期」というのはなにか説明します。
抗うつ剤の濃度が薬を飲んで最高の濃度に達した後、半分の濃度に減ってしまうまでの時間です。

つまりどれくらいで薬の成分が弱くなってくるかという時間です。
これが短いと、体内の変動が激しく離脱症状を起こしやすい要因になります。
薬の半減期が離脱症状の起こりやすさと関係するということです。

以下に抗うつ剤の半減期一覧を示します。

抗うつ剤半減期(hr)抗うつ剤半減期(hr)
三環系四環系
アナフラニール21テトラミド18
ノリトレン27ルジオミール
マプロチリン
46
トリプタノール
アミトリプチリン
20-40テシプール
セチプチリン
24
アモキサン8NaSSA
トフラニール
イミドール
9-20レメロン
リフレックス
32
SSRISNRI
パキシル
パロキセチン
14トレドミン8.2
パキシルCR20サインバルタ10.6
ジェイゾロフト
セルトラリン
26イフェクサーSR3-13
レクサプロ30その他
デプロメール
ルボックス
フルボキサミン
8.9レスリン
デジレル
6-7
ドグマチール
スルピリド
8
【参考】今日の治療薬2016(南江堂), Christopher H, et al. Am Fam Physician. 2006 Aug 1;74(3):449-56.

SSRIに分類されているルボックスの半減期は8.9時間とかなり短いです。
ですから1日2回の内服になっていますが、半減期の短さから2回目を飲み忘れたり薬が切れてくると離脱症状が出てくる場合があります。

その他、遺伝子、年齢や性別、もとが何の疾患だったかは関係なく、離脱症状が起こる決定的な理由はいまだわかっていません。
とにかく薬が急に身体からなくなってしまうその反動であることはイメージしやすいと思います。

もう少し詳しい説明をしますが難しければskipしてください(コチラをクリックで次の章を飛ばします)。

離脱症状の起こる機序

現在のところ離脱症状が起こる原因の有力な説は「セロトニン受容体じゅようたい脱感作だつかんさ」が考えられています。

セロトニンは聞いたことあるけど、「受容体って?」「脱感作って何?」となってしまいますね。
ここをわかりやすく説明していきましょう!

ひとことで簡単に説明するなら、「せっかく身体が薬になれてきたところなのに急になくなるなよ!」ってことなのです。

一般に抗うつ剤は、飲んですぐに効果がでないことは処方された最初に主治医から聞いていると思いますが、通常は飲み始めて2週間くらいして抗うつ効果が出始めます。
ではなぜタイムラグがあるのでしょうか?

まず大前提をお話します。


ルボックスをはじめSSRIの作用機序は神経伝達物質しんけいでんたつぶっしつであるセロトニンを強めることにあります


どのようにセロトニンを強めるかと言えば、神経と次の神経との間でセロトニンという物質を介して行います。
最初の神経が、次の神経にセロトニンをお届けしますが、次の神経にはセロトニンを受け取るポストがいっぱいあるので、そのどれかに届ければいいのです。

荷物:セロトニン

同時に、最初の神経にはセロトニンをリサイクルする業者もいてポストに届けようと思ったらリサイクルで回収されてしまうこともあります。
つまりすべてのセロトニンをポストにお届けできません。

抗うつ剤はこのリサイクル業者(この絵ではヤギ)を働かせなくさせます。
これによって多くのセロトニンを次の神経のポストにお届けすることができるわけです。

しかし、最初の段階では抗うつ効果よりもセロトニンがたくさん届けられることによる副作用の方が目立ってしまいます。
それはそうですね、もとより多くメールが届くようになったのですから反応してしまいます。

たくさんセロトニンが届けられて次の神経もびっくりするのか、身体も対抗してポストを徐々に減らし始めます。
「これでダイレクトメールが届きにくくなったでしょう!」ってことですね。

このようにして、過度なセロトニン受取りによる副作用を減らし、適度にセロトニンを増やすことに成功します。
こうなって初めて抗うつ剤による効果が出だして副作用がおさまるのです。
身体がセロトニンがたくさん来る環境にうまく適応するわけですね。

この一連の流れはこのように言い換えられます。


  • セロトニンを受け取るポスト = セロトニン受容体
  • 時間をかけてポストの数を減らしていくこと・慣れていくこと = セロトニン受容体の脱感作

抗うつ薬をある程度の期間飲んでポストを減らした状態、すなわちセロトニン受容体の脱感作を起こさせた状態になることが背景にあります。
そしてそこから抗うつ薬がなくなりセロトニンそのものも減ると、お届け物(セロトニン)が減り、それだけならまだしも、ポストも少なくなった状態(セロトニン受容体の脱感作)になっているのでダブルパンチをくらうことになります。
これでは過度にセロトニンが作用しなくなりすぎてしまうのです。

つまり離脱症状は過度にセロトニンが不足してしまう状態なのです。

セロトニンが増えた環境から、急に元に戻るのは脳にとってはとんでもないことでしょうね。

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離脱症状はいつまで続くのか?

通常、症状は重度まではいかないことが多いので早ければ1週間から2週間程度でおさまります。(仕組みでいうならポストがもとに戻れば、すなわち「セロトニン受容体の脱感作が戻れば」改善するということになります)
もちろん再度抗うつ剤を内服すれば症状は速やかに改善します。(慣れていた環境に戻してあげるという意味です)

とはいえ離脱症状は重度でなかったとしても本人の不快感は強く、仕事や学校を休まなければいけないこともありますし、ときに入院が必要になることもあります。

離脱症状を起こしやすいと想定される状況

特に慎重に減薬していかなければならない状況を確認しておきましょう。

  • 半減期の短い抗うつ剤を飲んでいる(ルボックスは8.9時間と短め)
  • 抗コリン作用の強い抗うつ薬(三環系抗うつ薬、SSRIの中でもパキシル)である
  • 2か月以上続けて抗うつ剤を飲んでいる
  • 抗うつ剤を飲み始めて不安や焦燥感が強くなった
  • 他に抗精神病薬を併用している
  • 若年者(子供や未成年者)
  • 離脱症状を過去に起こしたことがある

対処法1:減薬スピードはゆっくりと

基本は急な減薬・断薬をしないことです。
最低でも1ヶ月かけて薬を止めていくのが無難です。
とはいえゆっくりであっても離脱症状を完全に防げるわけではありません。
ひとたび離脱症状がでるようであればすぐに元の量に戻しましょう。

対処法2:半減期が長い薬に変更してもらう

ルボックスは1日2回服用であることからもわかる通り半減期が短いお薬です。
減薬がなかなか離脱症状によってうまくいかないようであれば、半減期が長い薬にスイッチして変更するのも手です。

ただし、いくら抗うつ剤どうしでも薬のスイッチは離脱症状のリスクを上げます
ですからA薬からB薬にぱっと切り替えると、A薬とB薬で半減期や代謝のされ方が違ってこれによって離脱症状が起こることもあります。
場合によってA薬は一旦そのままで、B薬を徐々に増やしていきながら時間をかけてA薬を減らしそこからB薬の減薬を考慮するなど、手間がかかりますがこのように徐々にスイッチしてから減薬するのも1つの方法です。

対処法:ルボックスでの具体的な対処法

時間をかけて減らすのは抗うつ剤の減薬において大原則です。
特に、ルボックスの飲み始めに副作用(不安や焦燥感など)が目立った場合、離脱症状はを起こりやすいと言えます
もし現在断薬・減薬して症状が出ている場合には、いったん再開して離脱症状をおさえるのが先決です。

どうしてもゆっくり減らしても離脱症状が出る場合「隔日投与かくじつとうよ」が有効な時もあります。(文献上で優位に離脱が減らせたという報告はありません、私個人の見解です。)

隔日投与することもひとつの案
基本的に減薬は最大量から考慮すると150mg → 125mg → 100mg → 75mg・・・とステップダウンしながら時間をかけて減らしていくのですがこのような階段状の減らし方ではなく、隔日投与は以下のように交互に内服量をかえています。

(1日目)150mg、(2日目)125mg、(3日目)150mg、(4日目)125mg・・・・・
これを1~2週間続けたら毎日125mg内服になります。
ちなみに150㎎の日は朝と夕に75mg錠を1錠ずつ、125mgの日は75mgと50mg錠を1錠ずつです。

毎日125mgを1~2週間続けたら次も、
(1日目)125mg、(2日目)100mg、(3日目)125mg、(4日目)100mg・・・・

といった感じです。
減らすのにかなり時間かかりますが階段状でうまくいかないときでもこの方法ならうまくいくときもあります。

ルボックスは半減期の短さが特徴なので1日2回飲むことを守りながら減薬します。

もちろん自己判断で行わないでください。
(主治医の減薬スピードよりゆっくりの減薬にするのは大丈夫でしょうが・・・)

ルボックスの剤型のラインナップは25mg・50mg・75㎎錠がありますからフルに活かすためにも主治医と相談しながらが大事です!!

減薬のタイミングの注意点ですが症状が改善してすぐではありません。
うつ症状が改善した後も4-9か月はその改善させることができた内服量を維持することが推奨はされていることを知っておいてください。

離脱症状はうつ病の再発と区別しづらい

離脱症状の中でも抑うつ、不安、食欲の変化、吐き気、不快などはうつ病と同様な症状です。
しかし、薬をやめて数日以内に症状がでたり、特有のシャンビリが見られたり、再度薬を飲むことですぐに症状が軽くなったりするようであれば離脱症状と考えます。

うつ病の再燃であれば通常薬をやめて2,3週間後から症状がみられ徐々に増悪していきますので、離脱症状のように即座に増悪することは考えにくいでしょう。

もし自己中断して症状に悩んでいるようなら、疑わしくは再開することをおすすめします
離脱症状なら症状は軽快してくるはずです。
医師の指示に従いつつ減薬したり変更して症状がでたときは一旦もとにもどして主治医に報告し相談しましょう。

薬の量をかえたとき症状がでても決して再発したのかもと落胆はしないでください。
落ち着いて対応することが肝心です。
なんせ、離脱症状の頻度は抗うつ剤一般に2割というかなりの頻度です。
(海外のデータで352人中離脱症状を起こした171人を検証したものでは、SSRIの中ではルボックス(フルボキサミン)が17.2%というデータもあります。一方同じSSRIでもジェイゾロフト(セルトラリン)では1.5%ですから離脱症状の起こしやすさにも薬剤間で差があります)

【参考文献】Coupland NJ, et al. Serotonin reuptake inhibitor withdrawal. J Clin Psychopharmacol. 1996 Oct;16(5):356-62.

このまま薬をやめられないのではないかという不安もあるかもしれませんが、さらにゆっくり減薬したり他の半減期の長い薬にスイッチして減薬するなど時間はかかりますが他にも手はあります。

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離脱症状後が長く続く例もある

通常、抗うつ剤の離脱症状といえば上記の通り抗うつ剤をやめて数日くらいででる症状で通常は2週間程度で、長くても2か月くらいでおさまるものをいいます。
これは先にも説明した通りです。

ところが、抗うつ剤をやめてから1ヶ月以上して症状が出現してくる持続性の離脱後症候群(原文ではpersistent postwithdrawal symptoms)が報告されています。

持続性の離脱症状」は薬をやめた後、数か月たってからの症状の出現になりますので、患者さんは医療機関にも受診していないことも多いです。
ですから正確に把握することは難しいので、その論文も患者さんが抗うつ薬をやめたあとに悩んでいるセルフレポートをGoogleで検索してのリサーチになっています。

それによると、ほとんどがSSRIによるものでしたが、やはりシャンビリのことは共通して書かれています。
中止してすぐに出始めた人、2週間くらいしてからこの症状が出た人・・・。
ちなみにこの文献で紹介されている中にルボックス(フルボキサミン)は含まれています。
(そして主治医に相談すると、そんなはずはないと言われてしまっています。今でこそ有名ですが、昔はシャンビリなどまさか薬によって出るとは思いもしません。)

その他、睡眠障害、頭痛、不安発作、パニック発作、抑うつ症状、指先の異常な感覚などを訴えていますが通常の離脱症状と違うのは数か月から数年も続いていることです。

これが単なるうつや不安発作の再発なのか(患者さん本人たちはもともとこうではなかったと言っています)、本当に離脱症状の後の薬の後遺症状なのか、不明点は多々ありますが遅れて症状が出てしかも比較的長く続くことはあるようです。

まとめ「ルボックスの離脱症状」

  • 離脱症状は抗うつ薬を減薬・断薬、ときに薬の変更をしたときに出てしまう症状
  • 離脱症状はまだ正確な機序はわかっていないものの、急激なセロトニンをはじめとした神経伝達物質の変化に身体が対応しきれないことによると考えられる
  • それゆえ離脱症状は薬の半減期と関連している
  • 離脱症状は2週間(長くても6週間)程度で落ち着くが、抗うつ剤を再開すればすみやかにおさまる
  • 離脱症状を起こさないために、断薬を勝手にしないことはもちろん、減薬のときもゆっくり行うことが重要
  • 離脱症状はときにうつ病や不安症状の再発と勘違いしやすいが、薬をやめてすぐに症状がでたり、薬をもどせばすみやかに改善するという特徴がうつ病の再発との違い
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