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ジェイゾロフトの離脱症状とは-その期間と対策-(医師が教える抗うつ剤)

このコンテンツは医学論文データベース「PubMedパブメド」とわたくし医師個人の経験をもとに、正しい情報をわかりやすく解説することをモットーにしています。
ジェイゾロフトの離脱症状とは-その期間と対策-(医師が教える抗うつ剤)

離脱症状とは抗うつ剤を断薬・減薬(自己判断でも医師の指示においても)したときに数日以内にでてくる不快な症状(めまい、吐き気、頭痛、お腹の症状、不眠、不安など)をいいます。

ジェイゾロフトはSSRIの中では離脱症状を起こしやすい方ではないですが、急に中断するのは危険です。

通常は断薬・減薬して数日以内に症状が出始め、1-3週間程度でおさまりますが再度薬の量を戻すことでも改善します。
ときに医師の指示で慎重に減薬していたとしても、また他の抗うつ剤に変更しただけでも出てしまうことはあります。

また、離脱症状には電気が走ったような感覚がくる独特な症状があり医学的な用語ではありませんが俗に「シャンビリ」などと表現されることもあります。
海外でも同じようにこの独特な症状を「brain zapsブレインザップス」「brain shockブレインショック」などと表現している点をみても、日本での「シャンビリ」と同様この感覚がいかに特徴的であることを示しているのがわかります。

Dr.G
この記事ではジェイゾロフト錠によって起こる離脱症状とその対処法について説明していきたいと思います。

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離脱症状とはどんなもの?

離脱症状というのは、抗うつ薬を減薬・断薬したときに出てしまう症状です。
特に急激なお薬の中断がそのリスクを高めますが、ゆっくり減らしているときにもみられることはあります。

離脱症状は、正式には中止後発現症状ちゅうしごはつげんしょうじょうといいます。
というのも離脱という言葉は依存性のある物質(アルコールや違法薬物など)をやめたときにでてしまう症状を意図しており、それと抗うつ剤とは違うという認識のためだと思います。

ジェイゾロフト錠をだいたい1か月半以上飲み続けてから、急にやめたり一気に減らすとそのリスクが高まります。
一般的には抗うつ剤を減らしたりやめたりすると20%くらいの人に、多くは中断後3日以内(早ければ数時間以内という報告もあります)に症状があらわれます。
逆に抗うつ剤を飲んでいる期間が1.5~2か月以内では離脱症状が起こることはまれです。

原因となる抗うつ剤として、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は最も有名でWikipediaでも「SSRI離脱症候群」という言葉があるほどです。

現在抗うつ剤にはいろいろな種類がありますが、うつ病・うつ状態に対して最初に処方されることが多いのは安全性と効果の面でバランスがとれている「SSRI」「SNRI」「NaSSA」が多いです。

ジェイゾロフトはそのSSRIに分類される抗うつ剤です。

SSRIもまた副作用が多い薬ではありますが、SSRIを飲み始めて1週間以内に副作用が目立った症例では、特に離脱症状が起こりやすいといわれています。

もちろんSSRIに限らず、その他SNRI(サインバルタや日本では2015年に承認されたイフェクサーSR)、昔からある三環系抗うつ薬、トラゾドン(デジレル、レスリン)など様々な種類の抗うつ剤でも離脱症状の報告があります。

もう1点注意したいこととして、他の抗うつ剤(ジェネリック薬品も含む)に変更するときにも離脱症状が起こることが報告されています。

ジェネリックとは元の開発薬の製法の特許が切れたものを他の会社が製造したもので、成分は一緒のお薬です。
ジェイゾロフトの場合ファイザーが製造していますが、セルトラリン錠というジェネリック医薬品も20社近くからでています。
つまりジェイゾロフト錠(ファイザー社製)からジェネリック医薬品のセルトラリンに変更したときでも起こる可能性は「0」とは言えないでしょう(もちろん他の抗うつ剤に変えるよりはリスクは低いでしょう)。
セルトラリンという薬効成分は全く同じですが、ジェイゾロフトとジェネリックとは薬のコーティングが違ったりするのが薬の血液中濃度の動きに若干影響するのでしょうか。

違う薬に変更したときは、医師から「もとの薬からスイッチした新しい方の抗うつ剤の副作用でしょう」と言われたり、またジェネリックに変えたときは「うつの再発・再燃かもしれないです」と誤認されやすいので注意が必要です。

自身でも離脱症状の知識がないと、勝手に薬を止めていた場合はとくに主治医に言いにくいところもあるでしょうし、「うつの再発が・・・」と医師に伝えてしまえば自己判断の断薬や減薬を疑うことなく、再発ととらえられてしまいお薬がもっと増えてしまう可能性すらあるのです。

離脱症状による主な症状

  • めまい
  • 筋力低下
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 抑うつ
  • 不安
  • 不眠
  • 集中力低下
  • インフルエンザ様の症状
  • 知覚異常

離脱症状は多彩な症状がでます。
また薬を急にやめたり減らしているときに起こることや、不安症状が強くでたり気分の変動もでたりするのでうつ病が再燃したかのようにも見えてしまいます。

区別がつきにくいときもありますが、症状の中でうつ病の再発と明らかに違う症状があります。
それは通称「シャンビリ」と呼ばれる症状です。

先の表の中では「知覚異常」と書きましたが、電気が走ったような感覚に襲われることがあります。
ネット上では、この電気ショックのような「ビリビリ」した感覚と、シャンシャンとした耳鳴りを合わせて「シャンビリ」という表現が多々見られます。
これについては後述します。

ジェイゾロフトでの離脱症状の特徴

ジェイゾロフトの中止や減薬後、1-5日以内に症状が出現し、おさまるのに要する時間はほとんどが2-6週間以内、長いもので12-14週間(約3か月)であった海外の報告があります。
自然に改善していますが、一部ではジェイゾロフト25mg~50mgを再開しておさまった報告が含まれています。

症状はだるさ、気分の波、めまい、インフルエンザの症状(風邪のような症状、発熱や関節の痛みなど)が特徴的です。
もちろんシャンビリ(耳鳴りと電気ショック様の症状)も一部で報告があります。

参考文献
Fava GA, et al. Withdrawal Symptoms after Selective Serotonin Reuptake Inhibitor Discontinuation: A Systematic Review. Psychother Psychosom. 2015 Feb 21;84(2):72-81.


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離脱症状が起こるのはなぜ?

離脱ではなく中止後発現症状が正しい

離脱症状といえばアルコールや覚せい剤などの薬物でよく聞くと思います。
これらは依存性のある物質で、そういった物質をやめたときに出てきてしまう症状を本来は離脱症状といいます。

ジェイゾロフトをはじめ抗うつ剤は一般的には依存性のない薬とされてはいます。
それでも抗うつ剤をやめたときに離脱症状がでることがあるわけですから、これは依存なのかそうでないのかどうとらえるかは難しいものです。

この「離脱症状」という言いまわしは、英語ではどのように表現されているかというと、依存性物質のアルコール離脱症候群で使用される「withdrawal」という単語ではなく、抗うつ剤をやめたときの症状では「discontinuation; 中止」を使用して「discontinuation syndrome; 中止後発現症状」という言いまわしになっています。

この流れを受けて日本でも中止後発現症状と言っているのはあまり耳にしませんが、厳密に依存物質と区別するなら「離脱症状」ではなく中止後に出る症状という意味合いで「中止後発現症状」が正しいようです。
ただここでは離脱症状の方がイメージしやすいと思いますのでこの言いまわしで説明します。

ジェイゾロフトの半減期と離脱症状

ところで離脱症状は「どれくらいの期間内服していたか」と抗うつ剤の「半減期」が関連します。

「半減期」というのはなにか説明します。
抗うつ剤の濃度が薬を飲んで最高の濃度に達した後、半分の濃度に減ってしまうまでの時間です。

つまりどれくらいで薬の成分が弱くなってくるかという時間ですね。
これが短いと、体内の変動が激しく離脱症状を起こしやすい要因になります。
薬の半減期が離脱症状の起こりやすさと関係するのは、どれだけ急激にセロトニンを減らす方向に動いてしまうのかの指標です。

以下に抗うつ剤の半減期一覧を示します。

抗うつ剤 半減期(hr) 抗うつ剤 半減期(hr)
三環系 四環系
アナフラニール 21 テトラミド 18
ノリトレン 27 ルジオミール
マプロチリン
46
トリプタノール
アミトリプチリン
20-40 テシプール
セチプチリン
24
アモキサン 8 NaSSA
トフラニール
イミドール
9-20 レメロン
リフレックス
32
SSRI SNRI
パキシル
パロキセチン
14 トレドミン 8.2
パキシルCR 20 サインバルタ 10.6
ジェイゾロフト
セルトラリン
26 イフェクサーSR 3-13
レクサプロ 30 その他
デプロメール
ルボックス
フルボキサミン
8.9 レスリン
デジレル
6-7
ドグマチール
スルピリド
8

【参考】今日の治療薬2016(南江堂), Christopher H, et al. Am Fam Physician. 2006 Aug 1;74(3):449-56.

SSRIに分類されるジェイゾロフトの半減期は26時間ですので、他の離脱症状を起こしやすいSSRI(パキシルは14時間、デプロメール/ルボックスは8.9時間)よりは長めです。
ジェイゾロフトは他のSSRIと比較して離脱症状の頻度は低いとされています。

その他、遺伝子、年齢や性別、もとが何の疾患だったかは関係なく、離脱症状が起こる決定的な理由はいまだわかっていません。

とにかく薬が急に身体からなくなってしまうその反動であることはイメージしやすいと思います。

もう少し詳しい説明をしますが難しければ飛ばしてくださいね(コチラをクリックで次の章を飛ばします)。

離脱症状が起こる原因の仮説

現在のところ離脱症状が起こる原因の有力な説は「セロトニン受容体じゅようたい脱感作だつかんさ」が考えられています。

セロトニンは聞いたことあるけど、「受容体って?」「脱感作って何?」となってしまいますね。
ここをわかりやすく説明していきましょう!

ひとことで簡単に説明するなら、「せっかく身体が薬になれてきたところなのに急になくなるなよ!」ってことなのです。

一般に抗うつ剤は、飲んですぐに効果がでないことは処方された最初に主治医から聞いていると思いますが、通常は飲み始めて2週間くらいして抗うつ効果が出始めます。
ではなぜタイムラグがあるのでしょうか?

まず大前提をお話します。


ジェイゾロフトをはじめSSRIの作用機序は神経伝達物質しんけいでんたつぶっしつであるセロトニンを強めることにあります


どのようにセロトニンを強めるかと言えば、神経と次の神経との間でセロトニンという物質を介して行います。
最初の神経が、次の神経にセロトニンをお届けしますが、次の神経にはセロトニンを受け取るポストがいっぱいあるので、そのどれかに届ければいいのです。

荷物:セロトニン

同時に、最初の神経にはセロトニンをリサイクルする業者もいてポストに届けようと思ったらリサイクルで回収されてしまうこともあります。
つまりすべてのセロトニンをポストにお届けできません。

抗うつ剤はこのリサイクル業者(この絵ではヤギ)を働かせなくさせます。
これによって多くのセロトニンを次の神経のポストにお届けすることができるわけです。

しかし、最初の段階では抗うつ効果よりもセロトニンがたくさん届けられることによる副作用の方が目立ってしまいます。
それはそうですね、もとより多くメールが届くようになったのですから反応してしまいます。

たくさんセロトニンが届けられて次の神経もびっくりするのか、身体も対抗してポストを徐々に減らし始めます。
「これでダイレクトメールが届きにくくなったでしょう!」ってことですね。

このようにして、過度なセロトニン受取りによる副作用を減らし、適度にセロトニンを増やすことに成功します。
こうなって初めて抗うつ剤による効果が出だして副作用がおさまるのです。
身体がセロトニンがたくさん来る環境にうまく適応するわけですね。

この一連の流れはこのように言い換えられます。


  • セロトニンを受け取るポスト = セロトニン受容体
  • 時間をかけてポストの数を減らしていくこと・慣れていくこと = セロトニン受容体の脱感作

抗うつ薬をある程度の期間飲んでポストを減らした状態、すなわちセロトニン受容体の脱感作を起こさせた状態になることが背景にあります。
そしてそこから抗うつ薬がなくなりセロトニンそのものも減ると、お届け物(セロトニン)が減り、それだけならまだしも、ポストも少なくなった状態(セロトニン受容体の脱感作)になっているのでダブルパンチをくらうことになります。
これでは過度にセロトニンが作用しなくなりすぎてしまうのです。

つまり離脱症状は過度にセロトニンが不足してしまう状態なのです。

よく空港などで動く歩道(水平なエスカレーター)がありますが、あれの上を歩いているところから降りると「うわーっ」て前につんのめりそうになりますよね。
あれも動く歩道に身体が慣れた状態からの離脱によって一瞬だけおこるわけです。

高速道路を走った後に一般道を走ると過度に遅く感じたりしますよね。
でも60km/hの速度はちゃんと出ていたりして、高速道路からの感覚がもどっていないだけなんです。

意味は違いますが、環境を変化させると体は適応し、そしてそこから元に戻すと違和感を感じます。
まさにそんな感覚です。


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「いつまで続く?」離脱症状の対処法

通常、症状は重度まではいかないことが多いので早ければ1週間から2週間程度でおさまります。(仕組みでいうならポストがもとに戻れば、すなわち「セロトニン受容体の脱感作が戻れば」改善するということになります)
もちろん再度抗うつ剤を内服すれば症状は速やかに改善します。(慣れていた環境に戻してあげるという意味です)

とはいえ離脱症状は重度でなかったとしても本人の不快感は強く、仕事や学校を休まなければいけないこともありますし、ときに入院が必要になることもあります。

離脱症状を起こしやすい状況

特に慎重に減薬していかなければならない状況を確認しておきましょう。

  • 半減期の短い抗うつ剤を飲んでいる
  • 抗コリン作用の強い抗うつ薬(三環系抗うつ薬、SSRIの中でもパキシル)である
  • 2か月以上続けて抗うつ剤を飲んでいる
  • 抗うつ剤を飲み始めて不安や焦燥感が強くなった
  • 他に抗精神病薬を併用している
  • 若年者(子供や未成年者)
  • 離脱症状を過去に起こしたことがある

対処法1:減薬スピードはゆっくりと

基本は急な減薬・断薬をしないことです。
最低でも1ヶ月かけて薬を止めていくのが無難です。
とはいえゆっくりであっても離脱症状を完全に防げるわけではありません。
ひとたび離脱症状がでるようであればすぐに元の量に戻しましょう。

対処法2:半減期が長い薬に変更してもらう

減薬がなかなか離脱症状によってうまくいかないようであれば、半減期が長い薬にスイッチして変更するのも手です。

ただし、いくら抗うつ剤どうしでも薬のスイッチは離脱症状のリスクを上げます
ですからA薬からB薬にぱっと切り替えると、A薬とB薬で半減期や代謝のされ方が違ってこれによって離脱症状が起こることもあります。
場合によってA薬は一旦そのままで、B薬を徐々に増やしていきながら時間をかけてA薬を減らしそこからB薬の減薬を考慮するなど、手間がかかりますがこのように徐々にスイッチしてから減薬するのも1つの方法です。

対処法:ジェイゾロフトではどうか?

時間をかけて減らすのが大原則なのは一緒です。
特に、ジェイゾロフトを飲み始めてすぐに副作用(不安や焦燥感など)が目立った例では高率に離脱症状を起こしますので注意が必要です。
もし今現在断薬・減薬して症状が出ている場合には、いったん再開して離脱症状をおさえましょう。

ジェイゾロフトはSSRIの中では離脱症状は起こしにくいお薬ではあります。
もちろん他の離脱症状を起こしにくい抗うつ薬への変更も選択肢にはなりますが、SSRIの中では起こしにくいものですから基本はゆっくりの減薬が大事になります。

ちなみにジェイゾロフトにはOD錠というものがあります。
「Oral Disintegrant;OD」のことで水なしでも飲み安い口腔内崩壊錠こうくうないほうかいじょうのことです。
通常の錠剤と比べてOD錠の方が離脱症状が少ないということはありませんのでご注意ください。

どうしてもゆっくり減らしても離脱症状が出る場合「隔日投与かくじつとうよ」が有効な時もあります。(文献で優位に離脱が減らせたという報告はありません)

隔日投与
基本的に減薬は100mg → 75mg → 50mg → 25mgとステップダウンしながら数か月かけて減らしていくのですがこのような階段状の減らし方ではなく、隔日投与は以下のように交互に内服量をかえています。

(1日目)100mg、(2日目)75mg、(3日目)100mg、(4日目)75mg・・・・・
これを1~2週間続けたら毎日75mg内服になります。

毎日75mgを1~2週間続けたら次も、
(1日目)75mg、(2日目)50mg、(3日目)75mg、(4日目)50mg・・・・

といった感じです。
減らすのにかなり時間かかりますが階段状でうまくいかないときでもこの方法ならうまくいくときもあります。

もちろん自己判断で行わないでください。
減薬のタイミングは、うつ症状が改善した後も4-9か月はその改善させることができた内服量を維持することが推奨はされているからです。

離脱症状はうつ病の再発と区別しづらい

離脱症状の中でも抑うつ、不安、食欲の変化、吐き気、不快などはうつ病と同様な症状です。
しかし、薬をやめて数日以内に症状がでたり、特有のシャンビリが見られたり、再度薬を飲むことですぐに症状が軽くなったりするようであれば離脱症状と考えます。

うつ病の再燃であれば通常薬をやめて2,3週間後から症状がみられ徐々に増悪していきますので、離脱症状のように即座に増悪することは考えにくいでしょう。

もし自己中断して症状に悩んでいるようなら、疑わしくは再開することをおすすめします
離脱症状なら症状は軽快してくるはずです。
医師の指示に従いつつ減薬したり変更して症状がでたときは一旦もとにもどして主治医に報告し相談しましょう。

薬の量をかえたとき症状がでても決して再発したのかもと落胆はしないでください。
落ち着いて対応することが肝心です。
なんせ、離脱症状の頻度は抗うつ剤一般に2割というかなりの頻度です。
(海外のデータで352人中離脱症状を起こした171人を検証したものでは、SSRIの中ではパキシルが17.2%、ジェイゾロフトで1.5%というデータもあります。)

参考文献
Coupland NJ, et al. Serotonin reuptake inhibitor withdrawal. J Clin Psychopharmacol. 1996 Oct;16(5):356-62.

このまま薬をやめられないのではないかという不安もあるかもしれませんが、さらにゆっくり減薬したり他の半減期の長い薬にスイッチして減薬するなど時間はかかりますが他にも手はあります。

参考文献
Warner CH, et al. Antidepressant discontinuation syndrome. Am Fam Physician. 2006 Aug 1;74(3):449-56.


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離脱症状後が長く続く例もある

ここはややトピックス的な内容で議論の余地はありますが、一応説明しておきます。

通常、抗うつ剤の離脱症状といえば上記の通り抗うつ剤をやめて数日くらいででる症状で通常は2週間程度で、長くても2か月くらいでおさまるものをいいます。

ところが、抗うつ剤をやめてから1ヶ月以上して症状が出現してくる持続性の離脱後症候群(原文ではpersistent postwithdrawal symptoms)が報告されています。

薬をやめた後で、しかも数か月たってからの症状の出現になりますので、患者さんは医療機関にも受診していないことも多いようで、正確に把握することは難しいので論文も患者さんが抗うつ薬をやめたあとに悩んでいるセルフレポートをGoogleで検索してのリサーチになっています。

それによると、ほとんどがSSRIによるものでしたが、やはりシャンビリのことは共通して書かれています。
中止してすぐに出始めた人、2週間くらいしてからこの症状が出た人・・・。
ちなみにこの文献で紹介されている中にジェイゾロフト(セルトラリン)は含まれています。
この例では断薬後再開して症状は消失しています。

その他、睡眠障害、頭痛、不安発作、パニック発作、抑うつ症状、指先の異常な感覚などを訴えていますが通常の離脱症状と違うのは数か月から数年も続いていることです。

これが単なるうつや不安発作の再発なのか(患者さん本人たちはもともとこうではなかったと言っています)、本当に離脱症状の後の薬の後遺症状なのか、不明点は多々ありますが遅れて症状が出てしかも比較的長く続くことはあるようです。

参考文献
Belaise C, et al. Patient Online Report of Selective Serotonin Reuptake Inhibitor-Induced Persistent Postwithdrawal Anxiety and Mood Disorders. Psychother Psychosom 2012;81:386–388.

まとめ「ジェイゾロフトの離脱症状」

  • 離脱症状は抗うつ薬を減薬・断薬、ときに薬の変更をしたときに出てしまう症状
  • 離脱症状はまだ正確な機序はわかっていないものの、急激なセロトニンをはじめとした神経伝達物質の変化に身体が対応しきれないことによると考えられる
  • それゆえ離脱症状は薬の半減期と関連している
  • 離脱症状は2週間(長くても6週間)程度で落ち着くが、抗うつ剤を再開すればすみやかにおさまる
  • 離脱症状を起こさないために、断薬を勝手にしないことはもちろん、減薬のときもゆっくり行うことが重要
  • 離脱症状はときにうつ病や不安症状の再発と勘違いしやすいが、薬をやめてすぐに症状がでたり、薬をもどせばすみやかに改善するという特徴がうつ病の再発との違い

 

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COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 6 )
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  1. はじめまして。
    ジェイゾロフト25からセルトラリン100になり、ロナセン追加で1年程服薬しましたが、医者の意見を聞きつつ先週から一気に断薬しました。

    ひどいめまいと吐き気、頭の中でシャンシャン血液が脈打つ感覚と光と音が一気に入ってくる感じ、胃腸が全く動いてない感じがあり、仕事中に吐き、会社も休んでしまいました。
    セルトラリンの半減期はとっくに過ぎているハズですが症状はしっかり残っており、このままだと来週から仕事に出れる気がしません。
    布団から長々起き上がれないです。

    • コメントありがとうございます。
      Dr.Gです。

      お気の毒に、今まさに離脱症状に苦しんでおられるのでしょうか。

      残念ですが離脱症状の改善は半減期と関係はありません。
      半減期が短いお薬が離脱症状を起こしやすいのはありますが、短いからと言ってすぐにそれが良くなるわけではないのです。

      多くの場合、断薬後3日以内にありとあらゆる症状がでてそれが通常は2週間、長ければ数か月にわたってしまうこともあります。

      断薬後の症状が強く、耐えられない場合は再度お薬を飲むという対応ができます。
      主治医と相談の上、お薬は再開し再度減薬の方向をしかも一気にではなくゆっくりとするのが1つの選択肢になるかと思います。
      あまりにお辛いようでしたら、一度お薬は再開しすぐに主治医と相談すべきだと思います。

  2. 返信頂きありがとうございます。
    断薬は諦めて、25一錠を少しずつ再開することとなりました。
    シャンシャン鳴るのは治まったのですが、まだほんのり吐き気とめまいでふわふわしています。
    出勤できるようになったので、これくらいでいいかな。と思っています。

    こんなに症状が出るとは思ってなかったです。
    薬飲んでない時の自分が素の自分だと感じているので断薬を諦めているわけではありませんが、今回のことを踏まえて徐々に減らすやり方で行こうと思います。

    非常に助かりました。ありがとうございました。

    • ご報告ありがとうございます。

      すこしずつ頑張っていってください。
      おそらく時間とともに楽になるかと思います。

      お大事にしてください。

  3. はじめまして。
    私はふわふわしためまいに悩まされるようになって三年半。
    色々検査をしましたが異常がなく原因不明で、最後は心療内科を紹介されました。
    そこでジェイゾロフト朝25ミリ 夜25ミリ処方。
    うつ症状はありません。
    医者からもうつで処方ではなく、めまい症として出しているとの事でした。
    服用してから一年半。
    めまいの症状は改善されないので断薬する為
    1ヶ月半ぐらい前から25ミリに減らしていました。
    そして一週間前から0に。
    断薬3日後から、かなり酷いめまい。頭痛。
    頭の中で脳みそがぐらっと揺れて意識を失いそうになります。
    その時変な音が聞こえます。ザッザッ?シャン?と何かの音が…。
    これがシャビリ感なのでしょうか?

    過去に二回断薬した時も同じような音にひどいめまいがあり、すぐにまた服用すると、普段あるめまいの程度におさまり音も消えました。

    その事もあり今回も離脱症状なのかな…と思いながらも我慢する日々です。

    仕事も行けなくなり、家事も子育てもできない状態です。
    でも、もう少し我慢すれば、治まるのであれば頑張りたい気持ちもあります。

    個人差あると思いますが、服用1年半。
    だいたい目安をきめて、それまで我慢しようと思うのですが…どれぐらいの目安をもつのが良いでしょうか?

    長々とすいません。

    • コメントありがとうございます。
      Dr.Gです。

      断薬3日後からの症状は離脱症状と考えていいと思います。
      ジェイゾロフトを再開して症状が軽減していますし、特徴的な変な音も聞こえているようですし間違いないと思います。

      離脱症状は通常いつかは治まります。
      通常は数週間から2か月程度、長いと数か月続くこともあります。

      お辛いようであれば、再度症状が出ない程度に再開して、今度はジェイゾロフトの止め方を工夫してみるのも良いと思います。
      通常は漸減(ぜんげん)といってゆっくりゆっくり飛行機が着陸していくように減薬しないといけません。

      そのあたりを主治医の先生と相談してみるのも良いでしょう。

      離脱症状はいつかは止まりますが、どれくらいという目途は申し訳ありませんかなり個人差があります。

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