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セルトラリン錠の効果と副作用-医師が教える抗うつ剤-

このコンテンツは医学論文データベース「PubMedパブメド」とわたくし医師個人の経験をもとに、正しい情報をわかりやすく解説することをモットーにしています。
セルトラリン錠の効果と副作用-医師が教える抗うつ剤-

セルトラリン錠は抗うつ剤の中でもSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に分類されるお薬です。
ジェイゾロフトの後発医薬品(ジェネリック医薬品)で、セルトラリン錠として現在20社近くから販売されている製剤です。

もともとはジェイゾロフトがオリジナルの製剤なのですがこちらはファイザーから2006年に発売されており、これのジェネリックであるセルトラリン錠は2015年から販売されました。
ジェネリック医薬品とは同じ有効成分を含んだ割安のお薬で、通常は調剤薬局で後発医薬品に変更されて出されているはずです(処方箋に医師の指示で後発品変更不可の記載がない場合。)

Dr.G
セルトラリンは、抗うつ効果と副作用の出にくさという点でバランスのとれたSSRIであるといえます。
ここではセルトラリン錠について解説します。

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セルトラリンはどんなお薬か

セルトラリン錠はジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品というのは先発の薬剤(新薬)と同じ有効成分でつくられ、その特許が切れたのちに効果や安全性が新薬と同じと認められてから販売されます。

それでは3つの特徴をみてみましょう。

①薬価が安い

先発品に比べてジェネリック医薬品の方が薬価が安いというメリットがあります。
どれくらい違うか、飲み始めに処方されるセルトラリン錠25mgで比較してみましょう。

  • ジェイゾロフト錠25mg:93.50円
  • セルトラリン錠25mg:42.10円
  • ※2016年4月改訂の薬価

約50円違うので1ヶ月では1500円(3割負担なので実質450円)違います。
これは25mg錠なので、最大量100mgともなると結構な価格差があります。

どうすればジェネリックになるかですが、処方箋の「後発医薬品に変更不可」の欄にチェックと医師のサインがされてなければ、何もしなくても薬局でジェネリックに変更されて出されることが多いはずです。

②成分は同じでもコーティングは違う

「セルトラリン錠」はオリジナル製剤の「ジェイゾロフト錠」と基本成分は同じセルトラリンですが、コーティングが異なるので苦みの感じ方や飲み安さが異なることがあります。

ただし同じ薬効のはずなのですが、ジェイゾロフトからセルトラリンに切り替えることでなぜかあまり調子が良くなくなったという例もないわけではないでしょう。
というのはこの薬ではないのですが、ジェネリックに変えたとたんに調子を崩してしまうことを経験したことがあります。

理由はわかりません、タイミングの問題なのか錠剤が変わった精神的な影響なのか、それともコーティングの違いによる吸収率などの問題なのか・・・。

③アメルは薬の名前ではない!

セルトラリン錠は約20社の製薬会社から発売されており、すべて名称は「セルトラリン錠」というように成分名がそのまま製剤名になっています。
つまり「ジェイゾロフト」だけが唯一名称を与えられているファイザー社の開発特権です。

その他は【セルトラリン錠10㎎「アメル」】とか【セルトラリン錠20mg「サワイ」】などその錠剤のあとに「 」つきで製薬メーカーの名前がつきます。
よく外来で「薬は何を飲んでいますか?」とたずねると「アメルです」と答えてくれるのですが、気持ちはわかりますがそれは薬の名前でなくメーカーの名称なんですね。

セルトラリン錠の効果

うつ病・うつ状態と診断されたときに最初に出される抗うつ剤は「SSRI」「SNRI」「NaSSA」の3種類の中から処方されることが一般的で、セルトラリンはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に分類されるお薬です。

いずれの抗うつ薬もガイドラインで「効果は同等」として扱われていますので、どれが一番良いなどといったことはありません。
SSRIの中でも反応は個人差があるので、内服してみてはじめて抗うつ効果や副作用が明らかになったりします。

それでも抗うつ剤をランキングした研究は存在しており、その中でのセルトラリンの評価は高いのです。
抗うつ剤の比較

横軸は抗うつ効果を、縦軸は飲み続けやすさを示しており右上にある薬ほど有用性が高いことを示しています。
この表では右上にあるジェイゾロフトがセルトラリンですから抗うつ効果も高く副作用も出にくいことを示しています。

参考文献
Cipriani A, et al. Comparative efficacy and acceptability of 12 new-generation antidepressants: a multiple-treatments meta-analysis. Lancet. 2009 Feb 28;373(9665):746-58.

ただこのランキングをそのまま信用するなら、右上にある抗うつ剤だけあれば良いとなってしまいます。
しかし実際には先ほども説明しました通り、現状でSSRI、SNRI、NaSSAという抗うつ剤のスタメンの中での優位性はないことになっています。

ここにはこんな反論があるのです。

この研究メンバーの中には日本人もいますがほとんどが欧米で検証されたものであり、うつ病の特徴を一つとってもうつ病が関連していると思われる自殺率は日本が高くその文化的な背景や環境、価値観、そしてもちろん遺伝的なものなども欧米とは違うのではないか?
製薬会社との利益相反はないのか?
極めつけは同じように行った別の研究では、まったく違う結果になっていることなどです。

ですから個人ごとに反応をみながら変更したりしていくのが実際の臨床です。

次にセルトラリンに適応のある疾患をみてみましょう。
効果が期待できる疾患は以下の通りです。(赤字は日本で承認されているもの)
抑うつ気分、不安症状、不眠もしくは過眠(寝すぎてしまう)に有効です。

<セルトラリン錠が効果のある病気>

  • 大うつ病
  • 全般性不安障害(GAD)
  • パニック障害
  • 強迫性障害(OCD)
  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
  • 社交不安障害
  • 月経前不快気分障害(PMDD)

臨床試験で、抗不安作用に効果があることが幅広く証明されているため、うつ病以外にも上記の病気に対して効果があるとされています。
うつ病に関連した不安症状にも効くことを報告している研究者もいます。
この不安症状への作用に関してですが、セルトラリン特有の作用ポイントがあるのでこれは後程説明しましょう。

また、医師によっては月経前気分不快に対してよく処方する方もいらっしゃいます。

月経前不快気分障害(PMDD)とセルトラリン

月経前不快気分障害(PMDD)は、生理前に気分の障害をきたすものです。
とくにイライラや攻撃性が増したり、自身でも気分の制御が効かない感覚を持っており自責の念にかられることも多いです。

このPMDDに対し、SSRIが有効なためセルトラリン錠が処方されているのを目にします(婦人科で処方されていることもあります)。
このときの内服の仕方で、生理前だけに服用するのか日ごろから飲んでいるほうがよいのかという質問がされることがあります。

生理周期の中で排卵期が終わってから次の生理が始まるまでの間の期間を「黄体期」といいます。
生理の2週間前、つまり黄体期に症状が出る月経前気分不快症に関しては、この期間だけSSRIを飲む方がずっと飲んでいるより効果的とする報告もたしかにあります。

しかし最近のデータのまとめでは、飲み方によらず(ずっと飲んでも黄体期だけ飲んでも)効果があるとされています。

参考文献
Marjoribanks J, Brown J, O’Brien PM, Wyatt K. Selective serotonin reuptake inhibitors for premenstrual syndrome. Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jun 7;(6)

セルトラリン錠の作用機序について

どんなふうに作用するのか?

神経伝達物質であるセロトニンを増やし、セロトニン系神経伝達を増強します。
セロトニンが脳でどのような作用をしているのか見てみましょう。

神経伝達物質

右上の緑の枠がセロトニンです。
主に緊張の緩和、そして他の神経伝達物質と共同で衝動性や気分の制御に関わっていることがわかります。

セロトニン系の神経を強めることで緊張の緩和や衝動性・気分の制御をするのですが、ではどうやってセロトニンを増やしているのでしょうか?

通常、神経と次の神経の間で神経伝達物質「セロトニン」をやり取りをしています。
ここではイメージしやすいようにセロトニンを郵便物に例えて、次の神経の受け取り口を郵便受けとしてみてみましょう。
抗うつ薬のセロトニン増強の仕組み

実際には、すべてのセロトニンが郵便ポストに届くのではなく、一部のセロトニンは回収されています。
このセロトニンの自己回収をセロトニントランスポーターと呼ばれる部位が行うのですが、この絵ではヤギが回収しているイメージになっています。
抗うつ薬のセロトニン増強の仕組み2

セルトラリン錠の作用ポイントはこのヤギ(回収業者)です。
セロトニンの自己回収を抑えることでより多くのセロトニンを次の神経にお届けできるようになるのです。
抗うつ薬のセロトニン増強の仕組み3

このようにして大量のセロトニンが届くようになると、非生理的な状態ですのでどちらかというと副作用が目立ってしまいます。
抗うつ剤が、飲み初めに効果より副作用が目立ってしまうのはこのためなのです。

この状態からセロトニン受け取り口の脱感作だつかんさが起こります。
脱感作というのはポストを一部なくしてしまうことです。

これによってセロトニンが増えても適度に届くようになり、副作用もおさまりこのころから抗うつ効果が出るようになるのです。
これを脱感作といっているわけです。
抗うつ薬のセロトニン増強の仕組み4

抗うつ剤がセロトニンの回収業者を邪魔することで多くのセロトニンを届けていたのですね。

やや専門的な内容です

それでは概要がわかったところで、今のをちょっと専門的にみてみましょう。
わかりづらい場合はここから次の章に飛ばすことができます。

下の図は脳の神経が次の神経に繋がっている部分を示します。
そこではセロトニンなどの神経の伝達のための物質がやり取りされています。

SSRI作用機序

前の神経から放出されたセロトニンは次の神経に搬入され取り込まれていきます。
このときセロトニンが過剰に伝わりすぎないように一部のセロトニンを回収しています。
先ほどの絵ではヤギでイメージしていたものです。

この回収をしているセロトニントランスポーターをセルトラリンが邪魔することで神経と神経の接合部(接続している部分)でのセロトニンの量を増やします。

抗うつ効果がでるまでに2週間くらいはかかる

セルトラリン錠がうつに作用するまでに最低2週間はかかります
その理由について見ていきましょう!

セロトニンを受け取るポストの数が減る現象(脱感作)に関しては先に説明した通りです。
セルトラリン錠を飲むと急激にセロトニンが届くようになります。
すると副作用が目立ちますが、次の神経の受け取りポストが適度な数に調整される(これを脱感作といいます)ことで副作用がおさまってくるのでした。

ところがセロトニン受け取り口とは別のもう一つの場所でも脱感作は起こっていたのです。

実は、回収業者(先の絵ではヤギ)を邪魔することで増やしたセロトニンに反応して、自分で多くなってしまったセロトニンを感知して自己コントロールしてしまう機序もあるのです。
前の神経からセロトニンを放出して次の神経にセロトニンをお届けするのですが、セロトニンが多くなるとそれを検知してセロトニン放出を抑える機能が備わっているのです。
その自己コントロールするスイッチを「オートレセプタ」といいます。


セロトニンオートレセプタ:セロトニンの放出を自己コントロールする


難しく言えば、セロトニン再取り込みを阻害する結果(すなわちセロトニンを回収させないようにした結果)、神経と神経の間で増えたセロトニンは、セロトニン神経のオートレセプタ(5-HT1A自己受容体)に作用し、今度は逆にセロトニンの遊離(放出)を抑制します。(セロトニンが増えすぎていることを教えて自己調整するわけですね。)

セロトニンの放出が増えすぎると、セロトニンそのものの放出を自分でおさえてしまうのです。

ですから飲み始めは一時的にセロトニンが増えて、その後に自己コントロールしてしまうのであまりセロトニンが増えなくなるのです。
ところがある程度セルトラリンを飲見続けると、このオートレセプタの脱感作だつかんさも起こり再びセロトニンが増えだすのです。

これによってセロトニン放出の抑制が解除され、やっと安定的にセロトニンが増えるのです。
それゆえ、お薬が効果を発揮するのに時間がかかるのです。

    <効果が出だすまでに最低2週間はかかる理由>
    それは単純にセロトニンが増えることで効果がでるわけではないからです。
    脱感作とよばれる現象が特定の部分で起こるのを待って抗うつ効果と副作用が弱まるのです。

セルトラリンがセロトニン以外にも作用する2つの特徴

セルトラリンはSSRIという抗うつ剤ですから、選択的にセロトニンを増強するお薬です。
しかしセルトラリンには不安や緊張、強迫的な症状、過眠などにも効果を出します。
少し難しいのですが、それは他に2つの特徴があるのです。


  1. σシグマ-1受容体への作用
  2. 神経伝達物質「ドパミン」への作用

セロトニンを強める作用σ-1受容体に対する作用ともうひとつドパミンも再取り込み(回収)を邪魔して、ドパミン系も強める作用があります。
つまり見方によっては3つの側面から症状をカバーしています。

1.σシグマ-1受容体

セロトニンに作用するだけではなく、σシグマ-1受容体に対しても働きます。
そしてこれにより2つの効果が付与されます。


<σ-1受容体に作用することでの効果>

  1. うつ・不安の改善
  2. 脳梗塞後の機能の改善

このσシグマ-1受容体に対する効果はすべての抗うつ剤にあるわけではありません。
認められているのはSSRIではセルトラリンとフルボキサミンの2つです。


  • フルボキサミン
  • セルトラリン

ただしσ-1受容体への効果の強さはセルトラリンよりも、フルボキサミンのほうが強いです。
これが不安に対しての作用が強まる理由です。

2.ドパミンへの作用

ドパミンの作用を強めることは、非定型うつ病にみられるような過眠や気力の低下に対しても有効です。

セルトラリンはいつまで飲み続けるか

治療効果がでてきたら?

薬による治療の目標は症状が寛解かんかいすることですが、再発を防ぐことも重要な目標です。
寛解というのは、一般の病気で言う完治と同じことですが、うつ病をはじめ精神科・心療内科の病気は再発率が結構高いためにこの「寛解」という言い回しを使います。

症状が軽減・消失したとしても、飲むのを止めると症状が再燃・再発しうるのでうつ症状が改善してもまだ治癒したとは言い切れません。
すべての症状が消失(寛解)する、もしくはかなり楽になるまではかなり長く飲むことも念頭に置いておく必要があります。

うつ病も寛解したら、最低でも4~9か月はそのままの量を維持して飲むことを日本うつ病学会のガイドラインでも推奨しています
ですからおよそ1年は継続して飲む必要があります。

治療効果が出なかったときは?

十分な時間(2か月以上)、しかも最大量まで増量して飲んでいても効果が出ないとなると、治療抵抗性の状態を考えなければなりません。

この場合薬物療法なら他の薬との組み合わせや、非薬物療法(磁気刺激治療や認知行動療法など)を考慮します。
また、躁うつ病(双極性障害)である可能性も考えなければなりません。(この鑑別のための補助診断に光トポグラフィー検査は有用とされています。)

躁うつ病(双極性障害)といっても必ずしも躁状態(ハイテンションで気分がいい状態)が目立つわけではなく、潜在しているタイプでは色々な状態(ハイテンションまではいかないが調子が普通のとき、イライラしているとき、あきらかなうつ状態のとき)が日によって、ときには1日の中で混合しているような症状のときもあります。

セルトラリンを補強する薬の組み合わせ

病態 併用するとよい薬
不眠 睡眠薬、抗うつ剤のトラゾドン(レスリン®、デジレル®)
不安症状 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)。これでも十分な効果が得られないときガバペン®(ガバペンチン)などの抗てんかん薬を併用することもあります。
強迫症状 アナフラニール®(クロミプラミン)など三環系抗うつ薬を追加する。
疲労感、眠気、集中できない 精神刺激薬(ベタナミン®10㎎錠 -軽症うつ病、抑うつ神経症に適応あり)
躁うつ病(双極性障害)の潜在・混在 気分安定薬(デパケン®、ラミクタール®)や非定型抗精神病薬


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セルトラリン錠の副作用

副作用が起こる機序

セルトラリンは神経の伝達に関する物質(神経伝達物質しんけいでんたつぶっしつ)であるセロトニンを増強することにより抗うつ効果を出します

しかし、この治療作用をもたらしてほしい部位以外(脳のうつとは関連しない部分や全身の臓器)にお薬が作用し、セロトニン濃度が高まることが原因で副作用が生じてしまいます。

例えば、睡眠中枢で働いてしまえば不眠になりますし、腸で不必要に働いてしまえばセロトニン作用により下痢を生じるなどです。

主な副作用はセロトニンの全身への作用によりますが、セロトニン以外の作用による副作用もありますので挙げておきましょう。


  1. セロトニン以外の神経伝達物質に関する作用(ヒスタミンやノルアドレナリンなど)
  2. σ-1受容体シグマワンじゅようたいへの作用

セロトニンは神経伝達物質ですがこれ以外にもヒスタミンノルアドレナリンも神経伝達物質の一つです。
ヒスタミンと言えば胃薬が有名(H2ブロッカー)ですが、脳のヒスタミンは主にヒスタミンの1番(H1)でこれを抑えることで眠気がでてきます。
同様にノルアドレナリンをブロックする作用(正確にはα1ブロック)も眠気や立ちくらみの要因になります。

また先にも説明しましたσ-1受容体シグマワンじゅようたいへの作用も副作用の要因になってしまうことがあります。
σシグマ-1受容体を強めることによるデメリットも同時にあるわけです。


σシグマ-1受容体を強めることによるデメリット

  1. 鎮静作用
  2. 疲労感

つまり、ぼーっとする感覚やだるさ・倦怠感をつくってしまうこともあるのです。

主な副作用

  • 性機能障害(射精遅延、勃起不全、性欲減退(男女)、オーガズムを感じにくい(男女))
  • 消化器系(食欲不振、吐き気、下痢、便秘、口の渇き)
  • 中枢神経(不眠、振戦、頭痛、ふらつき)
  • 自律神経(発汗が目立つ)
  • 内出血(あざ)ができやすくなる、出血しやすくなる
  • 電解質バランスの異常(ナトリウムが低くなる)(ふらつき、だるさなど)
  • 血圧の低下

最も多い副作用は吐き気、不眠、下痢、口の渇き、男性であれば射精障害です。
これらは他のSSRIでも一般的に認められるものでもあります。

では詳細を見ていきましょう!

吐き気や下痢など消化器症状

抗うつ剤の中でもSSRIは消化器系の副作用が目立ちます
その中でも、飲み始めて効果が出るまでにやめてしまいがちな副作用は吐き気でしょう。

吐き気に関しては数日から長くても2週間程度でおさまることが多い副作用です。
少量からの開始は有効ですので半分に割ったり、胃薬と併用したり、食直後の服用にしたり、牛乳と一緒にのむことで緩和できることがあります。

眠気

抗うつ剤は全般に眠気を伴い、日中の活動に支障がでることがあります。
先にも説明した通り、花粉症やアレルギーの薬と同じくヒスタミン(H1)をブロックする作用やα1ブロック作用によります。

抗うつ薬の中でもSSRIは眠気は軽い方ではあります。
服用しているうちに眠気はおさまることもありますが、つらいようでしたら内服時間を変えるのも有効な方法です(例えば夕食後や寝る前に飲むなど)。

逆に不眠になってしまうこともありますが、これも内服時間を朝にかえることで対処できることもあります。
眠れない原因が、足がむずむずしてしまう副作用によることもあります。

セルトラリンは太る?

太るという副作用はお薬を飲み続けることに抵抗があるかと思います。
抗うつ剤の中でも太る副作用の強いものと、そうでもないものもあります。

飲み始めた最初の1-3か月はむしろ痩せて、その後に太っていくことが多いのが特徴です。

もちろんお薬を飲むだけで勝手に太っていくということではなく、食欲や嗜好が変わったり、脂肪の代謝が落ちることによります。

性機能障害

かなり頻度は高いのですが、デリケートな問題のため自分で抱えていることも多い副作用です。
男性であれば勃起障害や射精障害になります。
性欲の減退やオーガズムを感じにくくなってしまうのは地味につらい症状です。

頭痛

比較的頻度の高い副作用でもありますが、一方で片頭痛や筋緊張性頭痛に対する予防効果もあります。

危険な副作用は?

てんかん発作と、アクチベーションシンドロームといって躁状態(ハイテンション)の誘発、自殺衝動を高めるなどの報告はまれながらあります。

これについては後述します。

他の抗うつ剤との副作用比較

他の抗うつ剤(三環系抗うつ薬やSNRI、NaSSAなど)と比べてみましょう。
SSRIのジェイゾロフトのジェネリック医薬品がセルトラリンになりますのでジェイゾロフトを見てください。

セルトラリンの副作用

抗うつ剤には最初に出されることが多いものとしてSSRI、SNRI、NaSSAがあります。


  • SSRI
  • ルボックス/デプロメール(フルボキサミン)、パキシル(パロキセチン)、ジェイゾロフト(セルトラリン)、レクサプロ

  • SNRI
  • トレドミン(ミルナシプラン)、サインバルタ、イフェクサーSR

  • NaSSA
  • リフレックス/レメロン


この中でセルトラリンはSSRIに属しています。
SSRIとSNRIは胃腸症状性機能障害が目立ちます。
一方NaSSAでは胃腸症状と性機能障害が目立たない代わりに、眠気と太ることが問題になりやすいお薬です。


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セルトラリンの注意すべき副作用

3つの症候群(アクチベーション、離脱、セロトニン症候群)があります。
また失明のリスクもあることから緑内障についても解説しています。

アクチベーションシンドローム

アクチベーションとは、活性化・賦活化ふかつかのことです。
これによる症状は、良い感覚になることも不快な感覚になることも両者を含めて言います。

良い感覚になるなら良いのではと思われるかもしれませんが、それは程度の差こそあれ躁状態そうじょうたいであり、周囲からは違和感を感じることもありますし非常に衝動的になりやすく攻撃的なこともあるため取り返しのつかない行動(自殺も含め)に出てることもあります

不快な面としては、先にも出てきました不眠や焦燥感しょうそうかん(じっとしていられない)、不安が出たりします。

特に25歳未満での発生が多いのが特徴です。
飲み始めてすぐにこれらの変化が出た場合には注意が必要です。

離脱症状

正式には中止後発現症状ちゅうしごはつげんしょうじょうといいます。
6週間以上お薬を飲みつづけている場合に注意が必要になります。

急激に減薬したり、断薬することで身体症状(インフルエンザにかかったときのような症状)や耳鳴り、電気ショックのような感覚が襲います。
耳鳴りがシャンシャンしたり、電気ショックのビリっとする感覚から患者さんの中では「シャンビリ」と呼ばれているようです。

通常、服薬をもとにもどすか数週間でおさまることも多いですがその症状の不快感も強くしばしば問題になります。

セロトニン症候群

セロトニン作用が増強しすぎたときにでる症状です。

アクチベーションや離脱症状に比べて頻度は低いですが、症状は強く過量服薬したときにも認めます。
全身の筋肉の緊張と交感神経による症状として発熱、発汗などが目立ちます。
重篤な場合、意識障害やけいれんをきたします(過量服薬の場合)。

緑内障に注意

緑内障は最終的には失明につながる可能性もあるので、緑内障と思われるような症状が出た場合はまず眼科で確認しましょう。

<具体的な症状>

  • 吐き気(内服し始めの吐き気とは違います)
  • 目の痛み(頭痛や目の充血などを伴う場合特に注意)
  • 視野の変化(視界が狭い、光がきれいなリング状に見えるなど)
  • 目の周りが腫れる

このような症状は、緑内障でなくても出ることもありその判断には眼科的な診察が必要です。


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セルトラリンの副作用に対する対処法

基本的には飲み始めてから2週間もすればだいぶおさまってきますので「じっと待つ(経過観察)」が対処法になります。

日中の眠気は仕事や日常の生活に大きく影響を与えてしまいますので、どうしても眠気が強くなるようであれば夕食後や就寝前に内服するようにするといいでしょう。
逆に不眠や悪夢を見てしまうような時には、朝に内服すると良いでしょう。

その他の副作用については、セルトラリンの服用量を減量してもらうことが対策になります。

ただそれでも大変な時は、他の抗うつ剤に変更したり他の薬を追加したりして飲むこともあります。

同じSSRIであっても各抗うつ剤ごとに効果の特徴や副作用頻度が異なる事情もあるので、症状と副作用に応じて抗うつ薬の変更は有効です。

症状 併用することがある薬
不眠 睡眠薬、抗うつ剤のトラゾドン(レスリン®、デジレル®)
性機能障害 バイアグラ®やシアリス®は効果を期待できますが、心臓血管系の副作用もあるので精神科でこの副作用に対し処方することはまれです。
食欲不振 抗うつ剤の中でもNaSSAに属するミルタザピン(レメロン®、リフレックス®)は食欲を増進させる方向に効きます。
排尿障害 ハルナール®などのα1ブロッカー
落ち着かない・不安 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)

特に若い方でアクチベーションシンドロームによって躁状態になったり、自殺の衝動が強くでてしまうという症状が出るときは注意が必要で、薬を中止するか抗うつ剤ではなく気分安定薬やリチウム、非定型精神病薬を飲む必要があります。

離脱症状に関しては、ほどんどが減薬や断薬によることが多いので、もう一度ジェイゾロフトのもともと飲んでいた量に薬を再開したり増量することでおさまります。

まとめ「セルトラリン錠の効果と副作用」

セルトラリン錠はSSRIに属するジェネリックの抗うつ剤です。
最初に処方される抗うつ剤「SSRI」「SNRI」「NaSSA」の中ではどれが一番という位置づけはないのですが、抗うつ効果や副作用の出にくさではバランスのとれた抗うつ薬です。

効果が出るまでには2週間以上を要するため飲み続けることが大事です。

一方、副作用に関しては、セルトラリンは忍容性が高い(副作用で飲めなくなってしまうことが少ない)とされています。
もちろん副作用が起きないわけではありません。

吐き気や下痢などの消化器症状、体重増加、眠気もしくは不眠などの一般的なものから、性機能低下、そして危険なものとして躁状態や衝動性が高まった状態(アクチベーションシンドローム)などがあります。
ほとんどの副作用は時間によって解決し副作用が軽くなることが多いです。

しかし、アクチベーションシンドロームによって躁状態になったり、自殺の衝動が強くでてしまうという症状が出るときは、薬を中止するか、抗うつ剤ではなく気分安定薬やリチウム、非定型精神病薬への変更を検討する必要があります。

 

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