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エビリファイ内用液について -医師が教える抗精神病薬-

このコンテンツは医学論文データベース「PubMedパブメド」とわたくし医師個人の経験をもとに、正しい情報をわかりやすく解説することをモットーにしています。
エビリファイ内用液について -医師が教える抗精神病薬-

エビリファイは非定型抗精神病薬の中でも剤型の種類が多いのが特徴です。
粉薬(散剤)、錠剤、OD錠、内用液、注射とが存在します。

日本では、統合失調症の治療薬として錠剤、散剤の2つの剤形を2006年6月に発売、次いで2009年4月に内用液を発売、そして2012年5月にOD錠、2015年5月には筋注用の注射が発売されました。

適応も統合失調症のみにとどまらず、双極性障害における躁状態、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合)、小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性に対して適応を取得しており、使用される場面も多いお薬です。

大塚製薬から発売されているエビリファイは、世界各国に広まっておりその売り上げも2010年度で約4,000億円あり世界の医薬品売上トップ10に入る薬剤なのです。
これらの事情をふまえてもその需要の高さがこれだけの剤型の種類が存在する理由でしょう。

2017年6月にジェネリックのエビリファイも登場しています(アリピプラゾール)。

ここでは多種ある剤型のうち、エビリファイ内用液について解説します。


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エビリファイ内用液とは?

エビリファイ内用液には1ml、3ml、6ml、12mlの製品が存在し、それぞれ1ml中にエビリファイの成分であるアリピプラゾールが1㎎含有されています。
エビリファイ内用液

エビリファイの基本の剤型は錠剤ですが、錠剤には1㎎・3㎎・6㎎・12㎎・24㎎が存在しています。
つまり内用液はこれらの中で1-12㎎までの剤型をカバーしていることになりますね。

成分はもちろん同じアリピプラゾールで、適応も一緒です。

<エビリファイ内用液の適応のある疾患>

  • 統合失調症
  • 双極性障害における躁症状の改善
  • うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合)
  • 小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性

なぜ内用液が必要だったのでしょうか?

エビリファイ内用液には甘味がつけられてはいるのですが(オレンジっぽい風味)、後味が悪く苦みが残ります。
そういう意味では錠剤の方が飲み安いのかもしれません。
薬価も錠剤に比べれば割高です、水なしで飲めるというならOD錠の方が飲み安いかもしれませんね。

つまり内用液は常用薬としてよりも頓服として処方されていることが多く、そこに利用価値があると思います。

錠剤との違いは血中濃度の上がり方にあります。
錠剤の場合、服用して血中濃度が最大になるまでにかかる時間は1.8~5.2(中央値3.5)時間だったのに対し、内用液の場合1.6-3.6(中央値2.6)時間とやや早めに吸収される傾向があります。

ある程度の即効性(といっても言うほど即効ではない)を期待することができ、このためにイライラが強い時(双極性障害の混合状態もしくは発達障害の易刺激性)やひどく落ち込んで動けないとき用に頓服処方がされている場合があります。
副作用は基本的には錠剤と一緒です。

しかしこの薬物動態の違いが逆に錠剤では出なかった副作用をまねくこともありますし、逆に効果が出る場合もあったりします。
(内用液と錠剤による効果の違いなど文献検索しましたが特にありませんでした。)

内用液が優れるもうひとつの特徴は患者さんが拒薬(薬を飲むことを拒否)している場合においてです。
統合失調症や双極性障害の躁状態で病識がない場合には拒薬することも多く、このときに内容液は使えます(錠剤では吐き出されてしまいます、液剤は口の中に入れば飲み込んでくれますし最悪の場合は飲み物に混ぜることもできます)。

Dr.G
適応外使用ではありますが、研修医のときに内科の高齢の入院患者さんが夜中に不穏状態になって暴れてしまいこのエビリファイ内用液を使用したことがあります。

エビリファイ内用液の飲み方

包装の上部の切り口を切って、袋から直接飲みます。
エビリファイ内用液の飲み方

苦みで飲みづらい場合には、水やジュースなどの飲み物に混ぜることができます。
基本的に無色透明な薬ですが、混ぜることで濁ってしまうものもあるので注意が必要です。
(濁ると本来の薬効が出ない可能性があります。)

<混ぜてはいけない飲み物>

  • 水道水(煮沸していないもの)
  • 硬度の高いミネラルウォーター
  • 茶葉由来の飲料(緑茶・紅茶・玄米茶・ウーロン茶など)
  • 味噌汁

後発品ジェネリックでは用法に違いがあります

ジェネリックと呼ばれる後発品は、同じ薬効成分でありながら薬価がオリジナルのものより安い製品です。
エビリファイ内用液にも後発医薬品が2017年6月に登場しましたが、大塚薬品のエビリファイ内用液とは異なる用法のものがありますので注意が必要です。

具体的には高田製薬とMeiji Seikaファルマからでている製品です。


  • アリピプラゾール内用液 〇mg分包「タカタ」
  • アリピプラゾール内用液分包 〇mg「明治」

これら2社の製品は基本的に何かに混ぜて飲むということはできません。
原液での内服が指示されています。

エビリファイ内用液の薬価とジェネリックとの薬価比較

エビリファイ内用液は1ml(1㎎)あたり83.40円と設定されています(2016年4月改訂)。
ここに保険が適用されますので1-3割負担で1ml当たり薬品代のみで8円-25円がかかります。

錠剤の実に2-3倍と薬価はかなり高めです。

製品 薬価
エビリファイ1㎎錠 31.30円
エビリファイ内用液1ml 83.40円
ジェネリック内用液1ml
エビリファイ3㎎錠 82.50円
エビリファイ内用液3ml 250.20円
ジェネリック内用液3ml 106.70円
エビリファイ6㎎錠 156.70円
エビリファイ内用液6ml 500.40円
ジェネリック内用液6ml 213.30円
エビリファイ12㎎錠 297.80円
エビリファイ内用液12ml 1000.80円
ジェネリック内用液12ml 426.60円

まとめ「エビリファイ内用液」

エビリファイは非定型抗精神病薬の中でも剤型の種類が多いのが特徴です。
粉薬(散剤)、錠剤、OD錠、内用液、注射とが存在します。

エビリファイ内用液には1ml・3ml・6ml・12ml(1ml=アリピプラゾール1㎎に相当)のバリエーションがありますが、内用液は錠剤に比べて薬価が高いことから主に頓服で使用されていることが多いです。

吸収の過程が錠剤より早いことから、錠剤では効果がなかったけれど内用液では効果があったり逆に副作用がでたという方もいますがこれに関してはデータ上でその差異を報告しているものはありません。

2017年6月にはジェネリック医薬品に相当するアリピプラゾール内用液が登場しています。

 

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