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双極性障害(躁うつ病)とは「Ⅰ型・Ⅱ型の違いと特徴」

このコンテンツは医学論文データベース「PubMedパブメド」とわたくし医師個人の経験をもとに、正しい情報をわかりやすく解説することをモットーにしています。
双極性障害(躁うつ病)とは「Ⅰ型・Ⅱ型の違いと特徴」
Dr.G
双極性障害そうきょくせいしょうがい(躁うつ病)についてお話していきます。
まず最初に要点をお話します。

簡単に言えば躁状態そうじょうたいうつ状態が交代で存在する病気で、うつ病との違いは「躁状態」が存在することです。

躁状態においては、本人よりも家族や周囲の方が非常に困ることが多くなります。
身内でなければ、躁状態の人と会ってもその激しさ、高圧的態度、イライラを感じて距離をとるだけですみますが、身内となるとそうもいきません。

家族内での発生率が高く、症状の出始める年齢も若いことから遺伝的な原因も1つとして考えられています。

治療面においても躁うつ病の方では、たとえうつ状態においても抗うつ剤を飲んでしまうと、最悪の場合には躁状態を招いてしまい周囲が大変苦労するということも少なくありません。
うつ病と双極性障害では別物として治療をしていくことが必要になります。

また、近年の双極性障害はこれまでの「躁うつ病」のイメージとは必ずしも一致しなくなってきています。
それは「双極性障害Ⅱ型」と呼ばれるタイプが注目されていることによるもので、これを受けて診断基準も変わりました。

この記事を読み終えたときには、もしかしたら自分が双極性障害(躁うつ病)かもしれない、主治医から言われたけどあまり自覚はないなどといった疑問が晴れること、そしてご家族や周囲の方が、どのように対応し接し方に気を付ければればいいのか理解できるよう説明していきたいと思います。


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双極性障害(躁うつ病)とは

双極性障害(躁うつ病)はうつ病と並び、近年一般にもよく知られる病気となってきました。

以前は躁鬱病そううつびょうの方がよく使われていましたが、「そう」と「うつ」と両方の状態、すなわち二極が存在しているという意味で現在は「双極性障害」と主に言われています。
英語ではBipolar Disorderと表記され、英語でも「bi-」と「polar」で「二極」を示す語になっています。

Dr.G
まず、全容を簡単にお話しましょう。

躁うつ病には、「うつ」の状態だけではなく「そう」の状態もあり、このふたつの状態が周期的に交代して現れます。

では「躁の状態」とはどんな状態なのか「気持ち」と「行動」の2点から見てみましょう。

躁状態とはどんな状態?

①気持ちの変化

  • ものすごく気分が爽快
  • いつもより幸せ
  • いつもより自信が高まる
  • 過度に楽観的
  • 壮大な幻想

②行動の変化

  • 落ち着きがない
  • 寝なくても平気
  • より饒舌(じょうぜつ)になる
  • 遠慮がなくなる
  • 変化を起こそうと計画する
  • 性生活が奔放になる
  • 飲酒喫煙が増える

躁状態とはうつ状態と正反対の状態で、数日から数週間続き、このとき本人はとにかく気分が良く前向きな気持ちで幸せなので病的な感覚を持ちにくいのです。
ですから、周りの人から見ると病的な気分高揚ですが、この時期にクリニックを受診することは多くはありません。

その後うつ状態に陥り、躁状態のときに自分がしてしまった事の重大さに気づき、そのときクリニックに受診する場合が圧倒的に多いのです。

※躁状態の正確な定義についてはこちら

躁うつ病は「双極性障害」とも呼ばれている

双極性とは、2つの「極」を持つという意味です。
「極」には方向性という意味があります。

双極性障害において気分が向かう2つの極はもちろん「うつ」と「躁」です。

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双極性障害(躁うつ病)にはⅠ型とⅡ型があります

うつの時期があるのは、Ⅰ型もⅡ型も同様です。
詳しくは後述(こちらから飛べます)しますので、ここでは概要だけつかんでください。

ではⅠ型、Ⅱ型の違いは何なのか?

双極性障害Ⅰ型・Ⅱ型

  • Ⅰ型:躁方向への気分変化が「躁状態」にいたるもの
  • Ⅱ型:躁方向への気分変化が「軽躁状態」にとどまるもの

要は躁状態のレベルが高いか、低いかの分類です。
躁と軽躁は程度や期間によって区別されます。

具体的には、Ⅰ型とは躁状態が一週間以上続き、社会的・職業的に著しい障害をきたして入院を要するようなものをいいます。

Ⅱ型とは、うつ状態の時期があるのはⅠ型と同じですが、躁の時期が軽躁状態にとどまります。
軽躁状態とは、躁ほど重篤ではない状態で、躁状態が4日以上続き入院を必要としない場合をいいます。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の見極めは難しく、しばしば後々にうつ病から双極性障害に診断名がかわりお薬が大きくかわることもめずらしくありません。

光トポグラフィー検査は客観的な判断ができますので、双極性障害との区別のひとつとして有用です。


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双極性障害(躁うつ病)の原因

双極性障害の原因は厳密には特定されていません。
身体的要因、環境的要因、心理・社会的要因が総合的に組み合わさって起こると考えれます。
ただし「うつ病」よりは、遺伝などもともと持ち合わせている身体的要因が大きいといえるようです。

双極性障害は遺伝が関与する?

結論的に、躁うつ病は遺伝が関与しています
双極性障害の家族歴がある場合、その重症度が強いほどそのリスクは増します。
ただし遺伝が関与するのは躁うつ病そのものではなく、素因もしくは気分障害のなりやすさです。

具体的には、双子の研究において、うつ病・躁うつ病をまとめて一卵性双生児では片方にうつ病・躁うつ病がある場合、もう一方に70-90%で疾患を認めます。
二卵性双生児では16-35%と一卵性に比べ低いことから環境の要因よりも遺伝要因は大きいと考えられています。
その他、遺伝子レベルにおいても18番染色体、21番染色体、22番染色体異常が指摘されています。

※難しい話になってはしまいますが、理化学研究所でも双極性障害の原因について研究されています。

心理・社会的な要因

ストレスは脳に変化をもたらすであろう仮説が立てられています。
ストレスが神経伝達物質の変化や神経の伝達における信号に異常をきたすと考えられています。

このように生活上の出来事によっておこるストレスがうつ病・双極性障害の発症の要因に関連することは考えられていますがその中でも特に大きい要因とされているのは次の3つです(うつ病・双極性障害ともに)。


  1. 11歳以前に片親を失うこと
  2. 配偶者を失う
  3. 失業

双極性障害(躁鬱病)の症状と特徴

「双極性障害」は「うつ病」と同じく気分の障害を基本とする精神障害です。
うつ病と異なるのは、症状が抑うつ状態だけではなく躁状態もあることで、この2つの症状が周期的に入れ替わります。

では具体的に躁状態とはどんな症状でしょうか?
新しくなった診断基準(DSM-5)をもとにかみ砕いて見てみましょう。

躁状態(躁病エピソード)とはどう定義されているか(DSM-5)

基本にある症状
  1. 気分の高揚こうよう
  2. 活動性や活力の向上

普段とは明らかに異なって、持続的に亢進している期間が1週間以上続くことが基本の症状です。
これに付随して以下の症状も出ます。

その他の症状
  1. 自尊心が高まる
  2. 短い睡眠時間で満足する
  3. 言葉が多く、しゃべり続ける
  4. 考えがまとまらず、注意が散漫
  5. 困った行動(浪費、性的無分別など)に熱中する

実際、躁状態の方とお話しするとその勢いや話の止まらない感じ、イライラや攻撃的な態度から、普通は距離を置きたくなる感覚があります。
当の本人は純粋な躁状態であれば爽快感があり、気持ちも良い状態のため困っている様子は見られません。
この場合、本当に困るのは距離を置くことができない家族なのです。

例えば、芸能人になると言って急に仕事をやめてしまったり、車や高級な物を購入してしまったり、高額な投資をしたり、金銭だけでなく性的な問題を起こしてしまうことすらもあります。
周囲がこれを止めようとすれば、攻撃性が高まっていよいよ手に負えなくなります。
このことから入院を選択せざるを得ないこともしばしばです。

Ns.Norin
躁状態がとっても激しいのはよくわかったわ。
でも双極性障害ってそれだけじゃないっすよね?
Dr.G
そうですね。
双極性障害では躁状態が最も特徴的ですが、その他の症状について説明していきましょう。

軽躁状態とその問題点

一方で軽躁けいそう状態というものもあります。
躁状態が、社会的・職業的な面で多大な障害をもたらしてしまうほど激しい症状であったのに対し、そこまで程度はひどくないものの普段のその人から比べたらやや躁状態にあるような状態を「軽躁状態」と呼びます。

Ns.Norin
ああ、あたし軽躁ってよくみんなに言われるよ?
Dr.G
精神科・心療内科の病気って、なんだか全部自分に当てはまるかもって感覚はあるものなんですよ。
でも何をもって治療すべき病態びょうたいとして考えるか!?
それはその症状によって自分や周囲が困り、社会的に逸脱いつだつしてしまいそうかどうかなんだ!
Dr.G
ただ、軽躁エピソードの定義って「少なくとも4日以上続いてそれが社会的・職業的に機能を障害するほどでない」とされていますけどね。

実は軽躁状態という概念が双極性障害(躁鬱病)をややこしくします。
軽躁状態というのは言い換えれば、潜在的に躁状態が存在しているという意味です。
つまり外からも明らかな躁状態はわかりづらいし、本人も躁状態の一部だとはとらえにくいということです。

Dr.G
この問題はあとでお話しましょう。

躁と鬱の混在「混合状態」は一番つらい症状!?

ここまでで躁状態は気分が高まって爽快な感じ、うつ状態は気分が落ち込んでつらい状態、そしてこれらが交互に存在するというのが大枠での双極性障害のイメージとしてとらえられたかと思います。
しかし、躁状態とうつ状態が同時に存在する混合状態があります。

Ns.Norin
混合?
混ざってるって意味わかんない。
だって躁とうつで周期を作るのが躁うつ病じゃないっすか!
Dr.G
確かにそうなんだけど、実はこれが最もやっかいな状態かもしれません。
躁とうつが混ざると、爽快感どころか絶望的で、不安で不安でしかたなくなってじっとしていられなくなる・・・
とっても不快な状態なんです。
死にたい、消えたいという衝動も出やすくなります。
それでいて行動的・・・、そう自殺のリスクすら高まる状態なんですよ!

「気分が落ち込んでつらい」という一方で活動性が高かったり、活動性は高まらずむしろねたきりだが不安でじっとしていられない(焦燥感しょうそうかん)、イライラが強く死にたいもしくは傷つけたいような衝動が高まっている状態という通常のうつ状態よりも場合によっては苦しい状態です。

この混合状態は、抗うつ薬によって誘発される場合もあります。

ラピッドサイクラー

これも抗うつ薬で誘発されることがある状態ですが、短い期間で躁状態とうつ状態を行き来します。
よくあるのは背景の躁状態がわからずに(もしくは潜在的で見抜けない状態で)うつ病と診断して、抗うつ剤を飲み始めたら即座に状態が良くなり爽快感すらあったのに(躁状態になる:>躁転そうてん)、またすぐにうつ状態になり、そうかと思ったらまた爽快感が出てきてと波が短くなった状態をいいます。
ラピッドサイクラーの定義としては年に4回以上繰り返すものをいいます。

双極性障害:Ⅰ型とⅡ型の違い

アメリカでは双極性障害Ⅰ型よりもⅡ型が多く、近年日本でも特に双極性障害Ⅱ型が注目されています。
Ⅰ型もⅡ型も「躁状態」と「うつ状態」を繰り返すことには変わりがありません。

Ns.Norin
それじゃあ、Ⅰ型とⅡ型は何が違うんすか?
Dr.G
区別される基準は簡単にいうと躁状態の程度が生活に著しい支障を来たす程度かどうかによってです。

具体的には、万能感にあふれて眠らなくても食べなくても平気というような、生活に著しい支障を来たす躁状態をⅠ型とし、そこまでに至らないものをⅡ型としています。
すなわちそれは上記でも説明しました軽躁状態のものを双極性障害Ⅱ型ということになります。
軽躁はお酒を飲んだ後に気分が高揚する時のような軽いものでも、病気の周期性にそって現れていることが判断の基準となります。

Ns.Norin
・・・ってことはあたしは双極性障害2型ってことすか?
Dr.G
いや、そういうわけではないよ。
仮にNorinちゃんが軽躁だったとしてもね。
双極性障害の定義を思い出してほしいんだけど・・・

双極性障害の図

一型は躁状態があればうつ状態がなくても双極性障害としていいのです。
なぜかというと、躁状態があれば本人は困らなくても周囲は十分困るから病気として扱っていいわけですね。
でも双極性障害Ⅱ型ではうつエピソードの存在が診断基準に入っているのです。

Ns.Norin
そっか軽躁状態だけならまあ多少まわりも迷惑したり、衝動買いしてお金使っちゃったとはなるかもだけど許容範囲内だし、あたしにうつエピソードはないからってことっすね。
ってことは・・・ただの?
Dr.G
さあ、次の話にいきましょう!

双極性障害Ⅱ型はⅠ型よりも軽症なのか?

躁状態の程度は軽いⅡ型ですが、それがそのまま軽症の病態とは言えません。
それはたとえ仕事ができるぐらいの病態であったとしても人生において長期に渡り症状が続くことで社会生活に深刻な影響を与えるからです。
また、Ⅱ型はⅠ型よりも衝動性が高いことが指摘されており、自殺企図・自殺行動や摂食障害、不安障害、アルコール依存症との合併も多く、軽躁状態だからといって病気自体を軽く見ることはできません。

双極性障害のその他の特徴

双極性障害Ⅰ型では結婚している人より離婚歴のある人、未婚の人に多い傾向がありますが、Ⅱ型の方が離婚率が高いことが知られています。
(Ⅱ型の方が病気に見えにくいことが原因なのでしょうか・・・)

アメリカの研究で、双極性障害の人は成功や名声に強い願望がありより高い目標を設定する傾向があることを示していることがわかっています。

参考
AFP通信

Dr.G
このことが関連するのか天才と呼ばれる有名人にも双極性障害の方はいますね。

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躁鬱病とうつ病を見分けるための手がかり

うつ病と双極性障害(躁うつ病)が全く異なる病気として見分けがつきやすそうに見えますが、実際この区別は意外と難しいのです。
双極性障害Ⅰ型のような明らかな躁状態であれば簡単ですが、実際には双極性障害2型や潜在的に躁状態が存在する程度しかないものがあるからです。
それでいて、うつ病のうつ状態と双極性障害でのうつ状態の診断基準はまったく同じです。

Dr.G
すると、こんな問題が起こります。

うつ病か双極性障害かをめぐってよくあるエピソード

心療内科、精神科に受診し抗うつ薬が処方され、約半年ほど経過してもあまり状態が変わらないと、医師から「もしかしたら双極性障害かもしれません」と言われることがあります。

当初SSRIなどの抗うつ薬が処方され効果が出ないと徐々に増量していきます。
ある程度増薬し、通常であれば半年もすると症状は改善することが多いのですが、症状がくすぶっていたりするとその後SNRIやNaSSAなどに変更したり追加されます。

それでも「本当に良くなっているかわからない」となったときに、「双極性障害」の可能性を考えるわけです。

あとは、うつ病と診断して抗うつ薬で治療が始まると逆に悪い反応がでることがあります。


  1. 混合状態の誘発
  2. ラピッドサイクラー(急速交代型)の誘発

これが双極性障害を診断するきっかけになることもあります。

Ns.Norin
えっ、最初から躁状態がわかんないものなの?
Dr.G
そう思うかもしれないけど、双極性障害2型や潜在的な躁状態では本当に見分けが難しいのです。

経過の中で明らかに躁状態といえるほどのハイテンションがあれば非常にわかりやすいのですが、ときにそれを躁状態と認識しない程度のことも多いのです。

先の説明の通り、双極Ⅱ型障害には軽躁状態があります。
この状態は本人にとっていつもより気分が良い状態という程度です。
ですから、この軽躁状態の時に病院へ行くことはほとんどありませんし、そもそも軽躁状態が正常の状態と考えているかもしれません。

うつ状態になって初めて病気の自覚があり、つらくなることで病院に行くケースが多いのです。
患者さんの口からも「先週くらいまではまでは大丈夫だった」と話され、この時点で軽躁状態を見逃してしまい診断は難しくなります。

Ns.Norin
なるほど「大丈夫」=「軽躁状態」なわけね。

本人もうつ状態になってから初めて受診するために多くの患者さんは自分はうつ病だと思っていますし、医師に対しても、うつ病エピソードの話をするので「うつ病」の診断がされることにお互い疑問の余地はないのです。

また家族にとっても同様で、うつ病にしか見えません。
激しい躁状態を伴うⅠ型とは違って、軽躁状態の症状は病気の自覚がなく不快でないことが、双極Ⅱ型障害を正しく診断するうえで大きなネックとなっています。
そして、軽躁状態のときに普通に過ごせることもあることから、うつ状態が怠けているだけに見えることさえあります。

Ns.Norin
主治医の先生も急きょ、うつ病からやっぱり双極性障害の可能性があるかもってなるんすよね?
それって驚きませんか?
Dr.G
うん。
いきなり「双極性障害」と診断が変わると、患者さんサイドとしては「えっ?そんなハイテンションなんてなかったのに」となってしまうわけです。

さらに処方薬が抗うつ薬から一気に双極性障害の治療薬(リーマス・ラミクタール・バルプロ酸などの気分安定薬やエビリファイ、セロクエル、ジプレキサなどの非定型抗精神病薬)に変わるので、不安も増すこととと思います。
(※双極性障害の治療に関しては別の項で説明します。)

いわゆる躁うつ病といわれてしまうような双極性障害Ⅰ型に対し、上記のような経過をとりやすい双極性障害Ⅱ型は、当初うつ病と診断されるほど躁状態は目立たず(もしくはまったくわからず)、薬には反応せずに、それでいて病名がいきなり変わり薬も大きく変更されることが多いことから、非常に不安を煽りやすい病気なのです。

躁うつ病とうつ病を見分ける手がかりとは

双極性障害では睡眠はたくさんとる傾向がでます。
放っておくと20時間ほど寝ている患者さんもいます。
これを過眠といいます。

そして過食になったり(どちらかと言えば衝動的に食べていてお腹が空くという感覚ではない)、気分が変わりやすい傾向もあります。
周囲から見ていると気分屋さんにも見えてしまうでしょう。

そして活動性が低くなるのはうつ病も一緒なのですが、活動していることもあれば一日中ベッド上で過ごしていることもあります。

双極性障害を疑うポイント

  1. 過眠傾向が強く、起こそうとしてもなかなか起きない。
  2. お腹が空くわけではないが過食する
  3. 気分屋さんに見える
  4. ベッド上で1日過ごしていて起きてこれない

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家族の対応、接し方の注意点

双極性障害Ⅰ型のような激しい躁状態では手に負えるものではないため入院が必須になります。

家族の対応で問題となるのは双極性障害Ⅱ型、潜在型の双極性障害(閾値下いきちか双極性障害)でしょう。

双極性障害Ⅱ型の患者さんは、たくさん寝て(過眠)、朝は起こしても機嫌が悪く起きてこないし、夕方にようやく起きてきたと思えば下手すると1日中ベッドにいるときもあります。
それでいて予定があるときは普通に行動できてしまうときもあります。
機嫌が良いかと思えば、イライラして当たり散らしたり、自傷や過食、場合によっては壁を殴るなどしてストレス発散することもあります。
周囲からすれば「いい加減にしてくれ!わがまますぎる!」と言いたくなってしまいたくなりますが、これが双極性障害であることを理解していただく必要があります。

本人はいたって真面目で何をしなければならないかわかっていながらも、学校や職場に行けない日があったり、普通にできる日があったりしながら生きづらい日々を生きています。(逆に言うと病院にかからず、単純にわがままで面倒な人として扱われている人もいると思います。)

周囲にできる対応はこの病気に対する理解です。
(周囲に理解されていないと感じれば自殺のリスクも高まるかもしれません。)

それでも朝起きてこないことやわがまま(に見える)対応をそのまま放置すればいいというわけではありません。
一度は注意すべきことを注意するのがいいでしょうが、しつこく言って周囲も不機嫌になりながら本人と接することは逆効果になります。
かといって放置しておけば見捨てられる不安もでてきます。

薬物療法をはじめ治療に専念しながらも、周囲はどんな病気であるか理解してあげることが必要です。

まとめ「双極性障害(躁うつ病)とは」

これまでうつ病と双極性障害(躁うつ病)は別個の障害としてみなされてきましたが、最近は双極性障害がうつ病のより重篤な表現型であるのではないかとも考えられるようになってきました。

しかもうつ病と診断されている患者さんを調べると過去気づかれていなかった躁病エピソードや軽躁エピソードが明らかになることもあります。
双極性障害の発生率は1%と考えられていますが、このような潜在する躁状態をふまえると、もっと多くの双極性障害患者がいると考えられます。

今回しっかり理解していただきたいのはⅠ型のような躁状態が激しいものばかりではなく、潜在的なものであったり自覚していないだけの軽躁状態があるということなのです。
治療にはまずこの病態の理解が必要ですし、周囲の理解も必要になります。

 

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COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 6 )
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  1. 質問してもよいでしょうか?
    躁が激しいのか軽いのか、よくわかんないのですが、
    明らかな混合状態がある場合は、
    Ⅰ型と判断してよいでしょうか?

    • ご質問ありがとうございます。
      Dr.Gです。

      定義の部分だけ申しますと、Ⅰ型でもⅡ型でも混合状態というものはあります。
      正確には「混合性の特徴を伴う」という言い方をします。

      あくまでⅠ型・Ⅱ型の分類は躁状態だけをみたときの強さです。

      そのうえで、そこに混合性の特徴を伴うかという解釈になります。
      ですから定義だけの話で言えば、躁病・軽躁病に混合性の特徴を伴うパターンと、抑うつ期に混合性の特徴を伴うパターンに分かれます。

      ここまでは定義の話です。
      でも実際は、特にSSRIを中心とした抗うつ剤によって起こるアクチベーションシンドロームと混合状態が同じものとしてとらえてしまっていることも実臨床ではあるのではないかと感じています。

      つまり抗うつ剤によって、かえって混合状態のような不快症状がつくられてしまうこともありうるのです。

  2. 私は21年も前から両極性障害と診断され4度の入退院のし現在は通院し薬物療法を
    行っておりますが、中なか改善されず特に躁状態がたびたび出ます。最近障害等級が3級から2級になりました。将来企業したいと思っているのですが(現在無職)、なかなか決心が付きません。ほかの人はどうしているのでしょうか。

    • By tokyo-mentalclinic

      コメントありがとうございます。

      双極性障害では躁状態といかなくても軽躁状態のときには活動性があがり、周囲の人ができないこともこなしたりしてしまうことがあります。
      結果、患者さんの中でも起業して成功されている人や営業で結果を出している方もおられます。
      しかしその逆に借金が多くなったり無謀な計画になってしまっていたり、人間関係でぶつかってしまうこともあります。

      起業したいという意思はすごく大事ですし、とくにこの疾患と闘っていくのに将来の希望は必要なことだとは思いますが、一般的に安定していない状態ではリスクが高いことが多いです。
      主治医の先生は何とおっしゃられているでしょうか?

      もし病態が安定しているようであれば良いのですが、躁状態がひどいということで再度入院の可能性があるときはせっかく起業してもだめになってしまう可能性が高くなり、もしかしたら取り返しのつかない失敗になってしまう可能性すらあります。

      躁状態はSSRIやSNRIによって惹起されることもあり、かといっていきなり薬をやめることは離脱症状の危険がありますから、薬の調整の観点からセカンドオピニオンを検討されてみるのはいかがでしょうか?

  3. 質問失礼します。
    母のことなのですが、平日深夜に5時間電話をかけて来る(マシンガントーク)、や、親戚中に電話をかけまくる、自分は時給◯万円稼げるぐらいの能力のある人間だ、と吹聴して回る、会話を遮るとこの恩知らずめと激昂する、反論すると犯罪者めと他者を貶める発言をする、など、周りからみて明らかにおかしいと感じているものの、ここにあるような症状の5番め、浪費や性的無分別などはない場合でも双極性障害を疑っていいのでしょうか。
    うつ病の治療を行っているのですが、3月からだんだんと上記の症状が強くなってきました。
    自分は双極性障害を疑い、医師も躁状態を把握しているのですが、鬱になるよりもいい、と言われた、と父から聞きまして、双極性障害に似た別の病気なのだろうかと、気になっております。

    • コメントありがとうございます。
      Dr.Gです。

      電話が5時間とはかなりしゃべるようになっているのでしょうか(多弁)。
      また誇大妄想(能力のある人間と考える)や攻撃性(周囲をにらみつける)も文章からは見受けられます。
      この状態はもちろん躁状態を考えるのが普通だと思います。

      問題はここからで、お母様がもともと双極性障害であったのか、それとも抗うつ剤によって躁状態が誘発されてしまっているのか(躁転そうてんといいます)です。

      いずれにしても医療者側からは、うつ状態よりも躁状態が問題という認識があります。
      お父様からは正確に主治医の先生にお母様の躁状態がどんな状態か伝えられているか確認した方が良いと思います。

      躁状態が明らかな場合、処方が変わってくる可能性がとても高いのではないかと思います。

      この文章を見る限り、双極性障害ないしは抗うつ薬による躁転をふまえて主治医の先生と相談されるのが良いかと思います。

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