医者が教えない精神科のこと |メンタルクリニックDr's INFO | 精神科・心療内科

医者が教えてくれない精神科のことを医師がわかりやすく解説

どちらにかかれば良い?精神科・心療内科の違いって何?

このコンテンツは医学論文データベース「PubMedパブメド」とわたくし医師個人の経験をもとに、正しい情報をわかりやすく解説することをモットーにしています。
どちらにかかれば良い?精神科・心療内科の違いって何?

何か最近体調が悪い・・・、でもたぶんストレスが原因なのはわかっている。
何もする気がでないし、メンタルの問題だ。

Dr.G
こうなったとき「心療内科」にかかりますか?
「精神科」にかかりますか?

なんとなく「精神科」は敷居が高いから、とりあえず「心療内科」にかかろう。

ほとんどの場合、このようにして町の心療内科に通院することが多いでしょう。

精神が病んでいるわけではない、ストレスにやられているだけということで「心療内科」は精神科の簡易的なものという位置づけでみていないでしょうか?

そもそも精神科と心療内科の違いって何?
どちらにかかればよいか症状で見分けるのかな?

こんな疑問にお答えしようと思います。


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「精神科・心療内科」でクリニックでの違いはないと見てよい

どちらの科に受診すればよいか迷っている方にとってはこれが答えです。
ほとんどの駅前にあるクリニックではどちらも掲げている(標榜ひょうぼうしている)はずです。

「精神科・心療内科」と2つ標榜していることもありますが、「心療内科」だけで標榜がされている場合もあります。
「心療内科」だけであっても実際は「精神科」であることもあります。
これは「精神科」とすると敷居が高く患者さんが来にくいからという配慮があるわけです。

メンタル面に不調はあるものの「精神までは病んでいない」と考える患者さんも多いと思います。
ですから精神科とすると入りづらいとか、場合によってはクリニック内にいる患者さんと会うのが怖いという古いイメージを持っている方すらいらっしゃるのです。

あとで説明しますが「心療内科」という標榜は、もともと精神科とは異なるルーツで扱う疾患も完全に一緒ではありません。

それを「心療内科」=「軽症の精神科」と本当は勝手に解釈して使うべきではないのかもしれません。
心療内科は「手軽な精神科」「軽症の精神科」と思われがちですが、実際は違うことを知っておいてください。

では、クリニックを受診する側からはどう見分ければよいのでしょうか。
標榜が「内科・〇〇内科・心療内科」となっていれば、本来の心療内科医か、内科医で心療内科を学んだ医師が担当することになるでしょう。
クリニックのホームページにある医師紹介で資格に日本内科学会認定内科認定医もしくは総合内科専門医を持っている場合、純粋な心療内科となります(心療内科が本当は何を診ているかはあとで説明します)。

ただし、町のお医者さんとして軽症なうつ病まではカバーしているという先生もいらっしゃるかもしれません。

標榜が「精神科・心療内科」となっている場合、プロフィールに精神保健指定医とある場合はまず精神科医が担当すると考えられます。

基本的に、メンタルの不調は精神科医が担当することが多いと思いますが厳密に通院先を選ぼうとするなら標榜の仕方や担当されるドクターのプロフィールは参考になるでしょう。

簡単にいうなら身体の症状がメインならば「純粋な心療内科」を受診すればよいですし、心の症状がメインならば「精神科=心療内科」を受診すればよいということになります。


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本当は異なる「精神科」と「心療内科」

「精神科」と「心療内科」は本当は異なります。

医学においてその診療科のバックには学会があります。
心療内科には日本心療内科学会がありますし、精神科には日本精神神経学会があるわけです。

これら2つの科が違うものであることは医者の目線からも明確です。

というのは学会はそれぞれの専門医を認定するわけですが、心療内科学会認定専門医を受験するのに必要な資格はなんと日本内科学会が認定する内科認定医もしくは総合内科専門医が必要なのです。

Dr.G
つまり心療内科というのはその名の通り内科がベースなんですね。

一方で精神神経学会は当然日本内科学会の認定する内科医としての資格は関係なく、精神科での研修が必要になります。

具体的にそれぞれが本当はどんな疾患や症状を対象にしているのか解説しましょう。

精神科では何を診てくれるの?

精神科といえば「うつ病・うつ状態」「双極性障害(躁うつ病)」「統合失調症」が診療の大半を占めます。
つまり気分の障害(気持ちの落ち込み、気分の波)や精神病症状(妄想や幻聴など)に対して主に薬物療法を中心に治療を行っています。

うつと合併していることが多い不安障害・パニック障害も診療の対象です。

そのほかパーソナリティ障害(人格障害)や依存症(アルコールや薬物、ギャンブルなど)、発達障害(自閉症スペクトラム障害-以前のアスペルガー症候群も含む-、ADHD、学習障害など)などさらに専門的にみている医師もいます。

心療内科は本当は何を診るの?

「心療内科=精神科」もしくは「精神科の軽症なものが心療内科」のイメージが強いと思いますが厳密には違います。

実はこれを説明するのは医師であっても答えられる人ばかりでないと思います。
なぜなら医学部の学生時代にも「心療内科」の講義のある大学ばかりでないでしょうし、国家試験の科目に「精神科」はあっても「心療内科」はないからです。

さて、日本心療内科学会は「心療内科」をどう説明しているでしょうか。

「心とからだの両面から治療する、それが心療内科です」

まるで病院の理念のようになっていますが、これはどういうことでしょう?

一般の内科は「からだを診る」ことに偏りますよね。

例えば「ぜんそく」は気管支が細くなって呼吸が苦しくなりやすくなる病気ですし、「不整脈」は心臓が通常のリズムとは異なった動きをすることで動悸やめまいを感じさせる病気、「狭心症きょうしんしょう」は心臓を栄養している血管がキュッと収縮して細くなり心臓に血液がうまく運ばれなくなり胸(心臓)が痛くなってしまう病気、「胃潰瘍いかいよう」は胃の粘膜に穴があいてしまうことでお腹の痛みを起こす病気です。

通常それぞれの病態にあわせた薬を処方します。
「ぜんそく」なら細くなった気管支を拡張させ、今度は細くならないようにしますし、「不整脈」なら心臓のリズムを整えるお薬、「狭心症」なら心臓の血管を拡張させ血管を細くさせないようにしますし、「胃潰瘍」なら胃酸を抑える薬というようにです。

ところがこういったからだの不調はすべてというわけではないですが、漠然と言えばストレスといったような心理的・社会的な因子が影響して症状を増悪させたりするのです。

単なる風邪であれば風邪薬を飲んでおけば1週間もすれば治ります。
しかし、心理的な影響を受けて症状が良くなったり悪くなったりしながら慢性の経過をたどってしまう一部の「ぜんそく」「不整脈」「狭心症」「胃潰瘍」などもあるわけで、その場合には単純に薬だけ飲むだけではいったん症状は改善しても繰り返してしまい、それでは生活の質が長期の目線で改善しませんね。

一般内科のように身体的な診察や検査があり、同時に心理テストや心理・社会面での面接を行い、そのうえで身体的な治療もしながらさまざまな心理療法をあわせていく、それが「心療内科」なのです。

心療内科は理想的な全人的医療ともいえるべき素晴らしい医療と言えるでしょう。

この考えは「内科」に限ったものではないのかもしれません。
例えば最近では増えているドライアイや目のまぶしさを自覚して「眼科」に受診しても何もみつからない、身体の痛みを訴えて「整形外科」にかかっても何も悪くないか背骨の中の神経(脊髄)が通っているところが細くて圧迫されているかもしれないと言われて明確な理由がわからず痛みだけが続いていたり、歯の痛みで「歯科」を受診したが結局原因がわからないなど「心療眼科」「心療整形外科」「心療歯科」といって良い範疇はんちゅうの症状も増えているように思います。

まとめ「精神科と心療内科」の違い

私たちがストレスなどを受けて日常生活に支障をきたすようになった場合、メンタル面の不調を感じたら町の「精神科・心療内科」に通院します。
厳密には「精神科」と「心療内科」は扱っているものはやや異なりますが、私たちが受診するベースで考えたとき、また開業しているメンタルクリニックが標榜しているのはほとんど精神科・心療内科を一色単にしていますのでこれを細かく考えて受診先を探す必要は現状ほとんどないといえます。

しいて言えばそのクリニックの医師のプロフィールを確認すればその先生が精神科出身なのか内科出身なのかは確認してもよいでしょう。
ほとんどは精神科出身の精神保健指定医もしくは精神神経学会認定専門医の先生が担当されるクリニックであれば「精神科=心療内科」となりますし、内科出身の先生(日本内科学会認定内科認定医もしくは総合内科専門医)が担当されるクリニックであれば純粋な「心療内科」となります。

しかしたとえ後者であったとしても、例えば「うつ病・うつ状態」に対しては抗うつ剤を処方することになりますし、不安障害や睡眠障害に対しては抗不安薬や睡眠薬が処方されこの点では精神科医の先生と同じ処方になるでしょう。

メンタル面の症状よりもメンタルからくるであろう身体症状が強ければ、「純粋な心療内科」が正解となるでしょうか。

精神科と心療内科は受診ベースではそこまで考えなくても良いでしょうが、厳密に学問としては全く異なる診療科でありそのルーツも違うというのが本当のところです。

 

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