睡眠薬をやめる方法はあるの?

睡眠

多くの不眠症患者さんは睡眠薬を飲んでいることが多いですが、睡眠薬は布団に入ると眠れないという悪循環を切って、眠ることへの自信をつけるのに役立ちます。

Dr.GDr.G

睡眠薬を内服している人は、「睡眠薬を長期に服用しているけど大丈夫なのかな?」「睡眠薬はないと眠れないけどこれって依存なのかな?」
と心配しながら睡眠薬を処方してもらっている方は多いと思います。

実際、日本睡眠学会のガイドラインでは不眠症は寛解かんかい後、睡眠薬の休薬するという治療のゴールが示されています。

ちなみに「寛解かんかいとは何をもっていうのか?」ということですが、不眠症は夜間の睡眠と日中の生活の質(QOL; Quality of Life)の改善が得られた段階で、適切な睡眠習慣を身に付け、眠れる自信を持った段階で寛解したと判断します

つまり、眠れるようになったら休薬しようということが推奨されているのです。

しかし、睡眠薬がないと眠れないという状態にも容易に陥りやすく、そう簡単に休薬できないのも本当です。

そこで処方された側としても睡眠薬の知識を持っておくことは重要です。

睡眠薬の主役、ベンゾジアゼピン系睡眠薬

睡眠薬といえばベンゾジアゼピン系睡眠薬が主役であり、これが発売されたのは1967年で50年以上の歴史があります。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬には種類によって強弱はありますが、筋弛緩きんしかん作用があるため、ふらつき転倒のリスクが高いことは知っておかなければなりません。

2014年にはカナダの高齢者を対象とした研究で、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の服用歴がある人でアルツハイマー型認知症を発症するリスクが高いことが示唆されたことから、長期にベンゾジアゼピン系睡眠薬を服用することが不安視されるようになったのです。

常用量であっても、身体依存を生じてしまうことも問題で、連用すると半年ほどで、減薬や休薬により反跳性不眠はんちょうせいふみんを生じるようになるため、薬なしでは眠れない状態になりやすいのです。

反跳性不眠とは薬をやめることで、不眠症状がより強くなることをいいます。
このことは、寛解すれば休薬という本来のゴールから離れる要因となります。

そこで睡眠薬を内服し始めるときには、休薬を想定した睡眠薬の使用が望ましく、さらに非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が望ましいということになります。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬であっても身体依存がないわけではなく、反跳性不眠は生じることがあるため、休薬後に一時的に眠りにくくなることはあり、結局のところベンゾジアゼピン系よりは良いという意味です。

さらにベンゾジアゼピン系睡眠薬には「やめやすさ」に薬剤間で差があります

不安に対する作用が強いほどやめにくく、経験的にはエチゾラム(デパス®)やトリアゾラム(ハルシオン®)は特に休薬しにくく、一方でリルマザホン(リスミー®)やブロチゾラム(レンドルミン®)は比較的休薬しやすいのです。

新しい睡眠薬

新しい睡眠薬として、2010年7月にラメルテオン(ロゼレム®)、2014年11月にスボレキサント(ベルソムラ®)が発売されました。

これらはベンゾジアゼピン系とも非ベンゾジアゼピン系とも作用点は異なる睡眠薬で、最大の特徴は身体依存を起こさないことにあります。以下にその特徴をまとめてみました。

ラメルテオン(ロゼレム®)

睡眠の深さやリズムを調節するホルモンである「メラトニン」をターゲットとしている薬です。
催眠の作用は弱くしかも2週間ほど連用しないと効果がでてこないという特性があります。
軽度の不眠に使用されることが多く、睡眠薬を使用するとできやすい睡眠への強いこだわりができる前であれば、睡眠の質の向上には非常に有効な薬剤といえます。

スボレキサント(ベルソムラ®)

ベルソムラは入眠効果もありますが、睡眠の維持効果も強いのが特徴です。
覚醒状態を維持する神経伝達物質「オレキシン」をブロックすることで催眠作用を持ちます。
オレキシンが発見されたのは1988年、翌年この物質がナルコレプシー(突然睡眠状態に至ってしまう疾患)と関連することがわかり、そこから30年余りでこの新薬が発売されるにいたっています。

まとめ

<休薬を考えた睡眠薬使用のポイント>

  1. できるだけ非ベンゾジアゼピン系睡眠薬を使用すること
  2. 効果が不十分であっても安易に増量、他との併用はしない
  3. 減薬時は一過性に不眠が出やすいことを知っておくこと
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